家庭の稟議書モンダイ

最近私は私に「人それぞれ」「人による」「これが普通、なんてない」と思わせることにやっきになっている。
私は私にって、ポルノグラフィティっぽいな。

会社にて、
「2万円以内のものなら家庭内稟議無しで買える」
と言う人がいた。
「いやいや、それは家庭によるだろぉ。」
と言う人もいた。
そのときにふと、軽井沢のアウトレットのある風景を思い出した。

軽井沢のアウトレットこと、軽井沢プリンスショッピングプラザで買い物をしていたときのことだ。
私は靴を買いたいというもりの付き添いで靴屋にいた。
靴屋では大多数が椅子に座って試し履きしているので、割と近い距離に密集している状態になる。ほかのお客さんと店員さんとの話し声も自然に耳に入ってしまう。

「いや〜この靴本当に欲しいんですけど…。1万5000円ですよね。嫁に聞いてみます。でもなぁ…。最近厳しいんですよねぇ。オーケーが出るかわからないです。。。」
ある男性の声が聞こえた。
店員さんもすかさず、
「こちら今だけこの値段ですので!」と攻勢をかける。
おっどうなるの!?と気になってはいたが、もりが靴を履いてどうかな?と聞いてきたのでいいんじゃない?とこちら側に夢中になっていた。
ふと気付いたときにはあちら側が、
「あのぉ…、この靴、一旦戻してもらってもいいですか。いやぁ…」
と、今にも消え入りそうな声で話していた。そしてそのままお店から出て行ってしまった。

なんだかそのときはその背中が小さく見えて、余計なお世話クソブタ野郎だが、切ない気持ちになった。自分は結婚したら旦那さんが気に入った1万5,000円の靴はすぐ買えるようにしてあげたいと思った。
でもそんなの余計なお世話でしかない。
背中が小さく見えたのも自分のエゴだし、あのお父さんは靴なんて買わなくても空前絶後の幸せの中で生きているかもしれないし。そんなのわからない。


人は人。自分は自分。それぞれの家庭。


#コラム #15000円の靴 #このハッシュタグは間違っているかもしれない



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