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◆ 気になった本 133

「ニムロッド」(上田岳弘 文藝春秋2019年3月号)

極端に登場人物が少なくかつ掴みどころのないお話し
社長から命じられ仮想通貨の掘削を始めた男と
金融機関に勤めアジアを飛び回る超エリートの女
そして 男の同僚で文学賞へ応募していた過去を持つ男
主人公の話しと
主人公へ送られてくる同僚が紡ぐ物語り
それらが交互に語られる
が お話しがシンクロすることはなく
妙にリアリティさがないまま 唐突に終わる
こういう 意味不明で入れ子状のお話しを語るのがトレンドなのかな?
読み進めるには かなりの忍耐が必要かな


「1R1分34秒」(町屋良平 文藝春秋 2019年3月号)

スポーツ青春モノ
人と殴りあって倒した者が勝つ
ボクシングは根源的で分かりやすい競技
でも
闘う相手は 向かい合った相手だけではない
自分自身との闘いが最も大切なんだな
この競技は“恐怖”との闘いだ
強い者が勝つ
その強さの基準が単純明快であるだけに
相手にも自分にも勝たないといけない
何とも厳しい競技だ
ボクサーが試合中 何を考えているのか
終わってから 試合を振り返って 将棋のように”感想戦“をすることも含めて
知らなかった
いや
それよりも 対戦相手が決まったら
SNSを駆使してその相手のことを知ろうとするなんて!
何だか 人間臭くていいな