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◆ 気になった本 98


「この本を盗む者は」
(深緑野分KADOKAWA 9784041092699)

この書き手さんの前作
「戦場のコックたち」(創元推理文庫 9784488453121)
「ベルリンは晴れているか」(筑摩書房 9784480804822)
この2作がとても面白かったので 期待して表紙を開いた
繰り広げられるのは
まるで 全く違う書き手さんのような...
架空の“本の街”読長町
この街のヘソになる私設図書館「御倉館」
そこの御曹司(御令嬢?)の高校生深冬が大暴れ!
読み進むにつれ
これは実写版はムリとして
「天気の子」と「もののけ姫」を足して二で割ったテイストでアニメ化したらいいかな
そんな 情景が次々に脳裏に浮かぶ...
ラストの謎解きの近く
深冬の祖母たまきの思いを
>物語はすでに綴じられたものであり
>目の前で紡がれていくものではなかった
と表現している(p295)
そうそう
これ 本というものをズバリ表してる
存在としての本を所有したり手に取るのが好きな人がいて
書かれているお話しを読む好きな人がいる
でも
その裏には お話しを書く人がいるんだね
(本当は 作る人や 扱う人もいるんだけど...)
相容れないわけじゃないけど
両者のカラーは明確に別れるね
謎が全て明らかになったわけじゃない
じゃ 続編だね
(個人的にはサンショが楽しみ!)
しかし
読了までにずいぶんと我慢を強いられたのも事実
それに耐えられるか 読み手を選ぶね...

#この本を盗む者は
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#9784041092699