◆ 気になった本 110

「羊は安らかに草を食み」
（宇佐美まこと　祥伝社　9784396636036）

第一声は「惜しい！」だ
ラストの結末で　下品で陳腐なお話しになってしまった
なんとももったいない！
それは　書き手さんの力量だけではなく
多分に　編集者など出版社側のミスリードだろうな...
その結末を除けば
実に良く読ませるし
深く心に響いた
しっかりとした取材を重ねたのがわかる
認知症を患う妻益恵
彼女には心の中に積もり積もって沈殿した「つかえ」があるのではないか
それを解き放してあげたい
そのために　夫の三千男は益恵と俳句仲間の2人を旅に送り出す
かつて彼女が暮らした場所（大津　松山　長崎の離島）を順に訪ねる...
そして　次々と明らかになる過去
現在と過去　絡み合って交互に語られるのだけど
各章の二つ目のパート（過去）が圧巻
「惜しい」けどオススメです

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