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深夜のフィナンシェ

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書いてみた短編小説と、小説っぽいもののまとめマガジンです。
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2022年4月の記事一覧

卑屈な暗闇

言葉から、ふっと遠くなる瞬間がある。 きっかけは様々で、 多くは、決定打というようなアクシデントが起こったわけではなく、 ほんの小さなことの積み重ねのように思う。 不思議なことに、それは良いも悪いもあまり関係ない。 体調が良いときも、悪いときも 昨日書いたエッセイの出来が良くても悪くても その足音はいつも、真隣にあるのだろう。 それが定期的に、首筋を撫でるような距離で聞こえてくる。 もしかしたら、聞こえてくるような気がするだけで 足音はすべて、錯覚だということにも気づい