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バラの歴史とマリア様がみてる番外編「ダブル・ディライト」

ご無沙汰しております、はねおかです
マリみてワンドロのSSを考えるのが楽しすぎて、こちらを放っておいてしまいました。(ついでに天鳳も触っていませんでした)
お暇な方は、よろしければお読みいただくと幸いです。

さて、今回ご紹介したいのが「ダブル・ディライト」です。
これは、マリみて作中には名前が出てこないバラになります。

作中に出てくる、キネンシス、ギガンティア、フェティダは原種(スピーシーズ)バラ。
こちらのダブル・ディライトは、モダンローズ(現代バラ)のうち、ハイブリッド・ティー・ローズと分類されるものです。
大航海時代にチャイナローズがヨーロッパに渡り、様々なバラの交配が盛んになりました。これらのバラはオールドローズと呼ばれます。
オールドローズの集大成でもある、ハイブリッド・パーペチュアルとティー・ローズの交配により生まれたのが、ハイブリッド・ティー・ローズです。
大きな花、大きな葉、四季咲き、木立性という性質を持ちます。

ハイブリッド・ティー・ローズの第一号とされている、「ラ・フランス」です。
単色なので見た目の豪華さこそ現代のバラには劣りますが、大輪で四季咲きで強香なこのバラは、誕生当時にはさぞ持て囃されたことでしょう。

さて、ダブル・ディライトは、1976年にアメリカで生まれたバラです。
グラナダとガーデン・パーティーを交配させて誕生しました。
その片親、ガーデン・パーティーは、シャーロット・アームストロングとピースから誕生したバラです。
このピースというバラは、バラの歴史において大変重要なバラなのですが、それはまた別の機会としましょう(長くなるので)。

このダブル・ディライトは、世界ばら会連合の"栄誉の殿堂(WFRS Rose Hall of Fame)入りのバラ"として表彰されています。ピース、アイスバーグ、エリナ、ピエール・ド・ロンサールなどの数々の名花も表彰されている栄誉ある表彰といえますね。
名前のダブル・ディライト(2つの喜び)の通り、色味と香りにおいて非常に素晴らしいバラなので、殿堂入りも納得です。個人的には、是非実物を嗅いでいただきたいところです。

こちらが実物(我が家で咲きました)のダブル・ディライト。

マリみての世界では、三年生を送る会において、三年生にバラの花を贈っています。
確認できるのは、いと忙し日日からで、"サーモンピンクのバラにする"とみんなで決めたとあります。
いわく、紅、白、黄の三色を混ぜた色だから。
このサーモンピンクのバラは、後々も三薔薇のシンボル的に出てきます。

先程のダブル・ディライトの写真を見ていただくと分かりますが、僕はこちらのバラの方が、三色を合わせたバラなのではないかと思っています。
クリーム色に、赤の覆輪(花びらのフチに色がつくことを指します)が大変美しいこのバラこそ、マリア様がみてるの世界観に相応しい、と!

紅薔薇も、黄薔薇も、白薔薇も、全員を混ぜ合わせる必要はないんですよ。
それぞれがそれぞれの個性を出して。
さらに言えば、リリアンの生徒一人一人が集まっての「マリア様がみてる」なのですから。

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