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バラの歴史とマリア様がみてる「ロサ・オドラータ」

ごきげんよう、はねおかです。
今回はロサ・オドラータをご紹介します。

ロサ・オドラータは、直接マリみてには登場しないバラですが、マリみてファン(特に聖蓉派)にはオススメしたいバラです。
バラの品種改良の歴史においても、非常に重要なバラでもあります。

早速、ロサ・オドラータのご紹介です。

ギガンティアの時に掲載した、ロサ・オドラータ(佐倉草ぶえの丘公園にて撮影)

キネンシスの記事でも申し上げましたが、バラの品種改良の歴史において貢献した4種のバラ「スタッド・ローズ」

パーソンズ・ピンク・チャイナ(ロサ・キネンシス・オールドブラッシュ)
スレイターズ・クリムゾン・チャイナ(ロサ・キネンシス・センパフローレンス)
ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナ
パークス・イエロー・ティー=センティッド・チャイナ

どちらも中国からヨーロッパにもたらされたバラですが、前半2つは四季咲き性を持つバラ。後半2つは香りの強いティー・ローズです。

ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センティッド・チャイナは、1808年から1809年の間にアブラハム・ヒューム卿が、東インド会社を通じて中国・広東近郊の種苗商から入手したバラです。
このバラは、一重から半八重咲き、レモン色から淡い赤色まで広い変化を見せたバラとされています。
このバラを、バラ研究者のヘンリー・アンドリュースは、キネンシスとギガンティアの雑種と推定し、1810年に「ロサ・オドラータ」の学名を与えました。

このバラとロサ・ガリカの交配から生まれたのが、ハイブリッド・チャイナという品種です。
このハイブリッド・チャイナとブルボン・ローズの交配により、ハイブリッド・パーペチュアルが誕生します。
ハイブリッド・パーペチュアルは、オールドローズ(ラ・フランス以前までのバラの総称)の集大成とも言われており、フランスの育種家ジャン・ラッフェイが目指した"丈夫で、大輪の花を、繰り返し咲かせるバラ"のクラスです。
1837年にプランセス・エレーヌと呼ばれるバラを開発したようですが、現在では失われてしまっています。残念ですね。
余談ですが、彼は1816年に、若干二十歳でラ・フィリッピンというチャイナ・ローズを育種したそうです。バラの品種改良において、チャイナ・ローズが使われていたんですね。

さて、ロサ・オドラータの解説はこの位として、例のごとくマリみてとこじつけていきましょう。

キネンシスとギガンティア、という訳で。
蓉子さまにとって聖さまは、全く放っておけない親友であることは、いばらの森や片手だけつないでの作品描写からお分かりかと思います。
バラの歴史においても繋がりの深いキネンシスとギガンティア。マリみて内においても描かれる繋がりの深さは、まさにオドラータのよう。
祐巳も、志摩子さんに「これから山百合会を背負っていくんだから」とホームルームで熱弁した事がありましたが。こちらもキネンシスとギガンティアの結びつきを感じずにはいられません。

重要なのは、キネンシスが強いという点です。
ヨーロッパに渡りバラの品種改良に貢献したチャイナ・ローズは、モダンローズに至るまでに多様な品種を生み出しました。
ティー・ローズ
ハイブリッド・チャイナ
ハイブリッド・パーペチュアル
それらの品種は、ギガンティアよりもオドラータが用いられています。
オドラータはギガンティアの栽培型である、という説もあるようですが、中国では香水月季と名が付けられ"月季"と呼ばれているからには四季咲き性を持つのでしょう。だとすると、キネンシスの血が入っていておかしくないでしょう。
薔薇の館に顔を出さない聖さまを度々呼び込んだのは蓉子さまですし、ロサ・カニーナが表れたので生徒会役員選挙を辞退するか思案していた志摩子さんを焚き付けたのは祥子さまです。
そうです。紅薔薇さま、キネンシスがギガンティアを引っ張っているのです(後者は決定打は静さまですが、逃げるの?と問いかけた祥子さまの功績はあるでしょう)

白き花びらで栞を失った聖さまを、当時の白薔薇さまと蓉子さまが手を引っ張り立ち直らせました。
聖さまのガラスのようなメンタルを知っていた白薔薇さまは、卒業にあたり蓉子さまに聖さまを託したことでしょう。当然、聡明かつ世話焼きの蓉子さまは、言われなくてもそうしたことと思います。
そして聖様は祐巳に出会い、再度の学生生活を送ろうと大学受験を受けることとなりました。
キネンシスとギガンティアの繋がりが、新たなストーリーとなっていくのです。
中国から渡ったスタッド・ローズもまた、異国の地でバラのストーリーを紡ぎ出しました。

そんなキネンシスとギガンティアの紡ぎ出すストーリーを、マリみてとバラの両面から楽しんでみるのも、乙なものと思いませんか?

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