見出し画像

仮想の身体を作っても生活は特に変わらなかった。

絵の体を作りました。

画像1

最近は絵の体を持っている人も珍しくありませんが、いるなあと思っていることと実際自分で作り上げてそれを動かすときどう思うかは全然別の話だよね、と気がつき、あとたまたま私は絵が描けたので作ることにしました。

作った結果どうなったかというと、タイトルの通り完成後数日経った時点では特に心境や生活に大きく変化が起こってはいません。でも新しいことをやってみて大変楽しかったのでその気持ちを記録しておこうと思い、この記事を書いています。


私はVtuber(絵の体を使ってYoutubeでライブ配信や動画投稿をしている人達のことです)の配信を見ることがあるので、質量を持たない、肉の体とは自由さと不随意さの領域を異にする身体を動かすことへの関心は高い方だったと思います。

とはいえ腰の重さにはことかかない私ですから、PCの買い替えを考えていたり、TwitterでフォロワーがLive2Dやってみようかな〜と言っているのを目にしたり、イベントにも出られないので漫画も全然かけず部屋でぼーっとしている時間が増えていたりと「今かな」という機運がやっと高まってきたのが1週間と少し前のことでした。

ではまずこのLive2Dの公式サイトを見て下さい。絵が動いていますね。

見ての通り、Live2Dとは静止画を動かすことができるソフトウェアで、絵の体の多くはこれで作られているらしいです。

あとpro版(機能が多いやつ)のフリートライアル期間が40日くらいあります。すごくない?

私はお菓子を食べる前に成分表やパッケージに書いてあるテキスト、リーフレットなどを読むタイプなのでまずはマニュアルを読んでみることにしました。

な〜んもわからん。知らない単語と文章が多すぎるし動画で文字読むのは苦手なので飛ばしまくってしまう。

しかし大抵こういったものには話しながら解説してくれる動画がYoutubeにたくさんあるものだと経験的に予想できたので、検索してみました。

ありました。

なるほどね〜。

へえ〜。

ほおー……。

まだ新しいPCは届いていませんが、動画を見ていたら今やりたくなったのでやってみましょう。やりたいことはやりたい気持ちがあるうちにすぐやったほうがいいらしいので。

早速絵の体のデザインを考えます。

Twitterアイコンがイルカなせいで最近イルカのモチーフに注目してしまうようになったし、せっかくなので取り入れましょう。

とはいえただ動物の擬人化のようになってはつまらないし先人が偉大すぎるのでちょっと捻りたい……骨格……肉の断面……死……イルカ漁……お刺身……。

いるちゃん

できました。

画像4

ちょっと色を変えました。

海棲哺乳類の厚い皮の無彩色と脂肪の黄色、筋肉の赤、そして黄色味がかった骨の色を取り入れました。あとせっかくならとVtuber(ではないけど)らしいファンタジックさも。

無性であること以外に特に設定はありません。

この絵を基にLive2Dで動かすためのモデリングをしていきます。

やることは単純で、動かしたいパーツごとに別のレイヤーに絵を描き、それを重ねて一枚のイラストに見えるようにしていくだけです。

これがめちゃくちゃ大変です!!!!気をつけてください!!!

私は1枚の絵に5枚のレイヤーを使うことも稀なのですが、今回は最終的に数十枚のレイヤーを前にしてかなり混乱をきたしました。皆さんは億劫がらずにちゃんとレイヤーに名前をつけて、わかりやすいようにフォルダで管理しましょう。

描き終わったら早速動きをつけていきます。

画像5

動きました。

すごいね〜!

その他の場所にもいろいろ動きをつけていきます。

できるだけ可愛くなるように……と思いながら作業を続けていくうちに、当初の目的とは心情が異なってきていることに気がつきました。

私は初め自分の身体を絵の世界にも拡張するつもりでこの子を作っていたのですが、いつの間にか自分とは別の人格であるかのように思うようになっていたのです。

世間には絵の体を作った人を「ママ」と呼ぶカルチャーがありますが、その呼び名が何らかの存在をその身を持ってこの世に生み出す人のことを指すのなら、確かに適切な言葉選びなのかもしれません。

私はあまり自分の作品に愛着を持つ方ではなく、なんなら描いている途中からどんどん興味を失っていくことすらあるのですが、この子を生み出すことについては早く元気に動いているところを見たいという一心で、生活をある程度破壊しつつ黙々と作業を続けていきました。

そして……

挨拶ができてえらい!!!

画像6

かわい〜〜

画像7

Siriも顔を見にきてくれました。

画像8

まつ毛長いね〜!

デザインからモーションをつけ終わってフェイストラッキングができるアプリにインポートして動かすまで大体1週間でした。

比較的時間がある時期だったこともありますが予想よりもずっと早く生成できたことに結構驚いています。

ちなみにフェイストラッキングは2DRというアプリを使ってipad上で行いました。

PCと接続する機能は備わっていませんが、やや古いスマホでも動くし無料で使うことができるので「作った絵の体を今すぐ動かしたい!」というときに便利だと思います。

画像9

たまに背景がいきなりGBになったりするくらいで動作は安定していますし精度も悪くなさそう。ひっくり返っているのはわざとです。


さて、ここまでに貼った画像を見て皆さんも「かわい〜」と感じたのですが、当然それは私がフェイストラッキングを使ってこれらのかわい〜表情を作ったからです。

そのときの私の肉の顔は全然可愛くないどころか変顔スレスレなのですが、でも気になりませんでした。なぜかというと、その瞬間確かに私の意識はあの子の体に方に偏っていて、肉の方は意識と絵の体の単なる中継地点だったからです。

これ!!!!こういう話には聞くけど実感したことないやつ!!!でも今体を動かしてるのが私なだけで、この子は私ではないんだよなあ。

絵の体についていえば、魂というものが確かに存在するような、そんな気がして大変楽しくなれました。

皆さんもぜひ気安く絵の体を作ってみてくださいね。

画像9





Q.かわい〜顔を見せびらかしたくて書いた?

A.そうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?