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『レーザー』真っ向唐竹割りーっ!

レーザが市民権を得ていくにつれて、クールなジャパンのサブカルでもレーザというか光の活躍を目にするようになってきた。
刀身が光の武器はまさに王道で、使えるなら使いたいし、なんなら新しい剣術道場を開きたいくらいだ。

刀身が光だと今の剣術とは根本から変わるはずだと、明治剣客浪漫譚のファン程度の剣士のはねいぬでも分かる。
まさに令和剣客浪漫譚だ。

まず、斬り結ぶことができない。
ギリギリと緊張感あふれる鍔迫り合いは存在しない。
光と光が交わっても、ゴーストバスターズのゴーストのように通過していくだけで、火花も散らない。
そうなると、刀身を防御に使えない。
ノーガードの斬り合いになる。

あと、刀身を一定の長さに留めておくことができない。
光は光の速さで、ただひたすらに直進するので、その先にある物に当たるまでが刀身の長さになる。
剣道場での対決であれば天井まで、屋外であればガマ星雲すら通り過ぎる。
神速や縮地で詰める間合いは存在しなくなる。

そして、予備動作がいらない。
光の刀身であれば、斬りつける速度が変わろうとも、相手へのダメージは変わらない。
むしろ長時間同じ箇所へ当てる方が、より身体の深い所に光が入り込んでダメージが大きくなる。
空中から叩きつける大技や抜刀術はただの時間の浪費であり、大きな隙を生むリスクになる。
逆に突きは主流となりえるだろう。大きく左腕を後ろに引く必要はないのが残念だが、刃先の位置が少しでも相手に近い方が有利になる。
肋骨の隙間を意識した平突きは実体のある刀身同様に、身体内部へのダメージを与える技術として有効だ。
さすがは剣術の鬼才が考案した突きだ、刀身がなんであっても効果は抜群だ。

このような特徴を持つ刀身が光の剣での戦いは、ほぼ構えの時点で決着が着き、武道としてもアクションとしても微妙だ。
そんな味気ない剣術道場は、楽しくないし流行る気もしない。
はねいぬは、「はじめ」の合図と共に両手で刀身が光の剣を頭上に掲げ、ガマ星雲を超える長さまでに伸びた刀身をそのまま相手に叩きつけることを、流派の真髄としたい。
そう、巨大コンツェルンが開発した銀のつばさにのぞみ乗せた超AI搭載のグレートな勇者の必殺技のように。
グレートビームサーベル流の誕生だ。

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