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『レーザー』の混乱呪文、変更?偏向?偏光!

レーザの扱いに慣れ始めてくると、距離を詰められてお近づきになれたり、距離がなかなかつまらなくなったりと、初めての彼女・彼氏との付き合い始めのような関係になる時期がある。
その最初の時期はたいてい偏光の登場時期と一致する。
変わる"変更"でも、偏る"偏向"でもない、"偏光"である。

偏光はレーザが光であり波であることを思い出させてくれる特徴で、とってもシンプルな特徴なのだが、レーザの中にあるたくさんの種類の波とごちゃごちゃになり混乱する。
もう偏光=メダパニと言えるくらい、多くのレーザ従事者を混乱に陥れ、レーザ業界にいながらもずっと偏光メダパニによって偏光を理解できないままの人も結構たくさんいるのが現実だ。
このレベルの低さが日本の、、、などと嘆いていてはいけない。
偏光を理解することは、メダパニから我に返ることができるということだ。
そしてその後は偏光メダパニが効かなくなるどころか、こちらが偏光を使いこなせるようになるというレベルアップも見えてくる。

偏光は光が進む方向に対しての振動の方向を示す。
まずはP波とS波という2つの直線偏光と、回転しながら進んでいく円偏光を区別するだけで十分だ。
この区別ができれば、後々遭遇するかもしれない螺旋偏光や、S波とP波の比率を意図的にコントロールした楕円偏光などにも余裕で対応できる。

こんなシンプルな偏光なのにメダパニ効果がある理由は、偏光以外にもいくつもの波をレーザが持っているからだと、はねいぬは思っている。
偏光以外にレーザが持っている波とは、波長と周波数である。
波長は特殊な結晶を通過しない限りは変わることのない波なので、もう独立している不変のものと考えてしまおう。
もう1つの波である周波数は、レーザのON/OFF信号でしかないので、レーザを使う側のはねいぬ達が自由に制御可能だ。
これで偏光はただレーザの進む方向に対してどんな向きに振動しているかになるので、区別できるだろう。

そして偏光は大きさの概念が存在しない波である。
偏光が強いとか弱いとかはないのだ。
偏光は美しさで表現される、と言うと少しロジカルではないが、実際には最高レベルに美しい時は100%の直線偏光や、完全な円偏光などが該当する。
100%の直線偏光とはP波:S波 = 100:0(逆のP波:S波 = 0:100も)であるが、残念ながらレーザが産まれた時点でこんな美しい偏光は存在しない。
実際にレーザ業界で十分美しいとされる直線偏光はP波:S波 = 100:1くらいである。
P波に少しS波が混ざっているが、100:1くらいの比率ではもうキレイなP偏光と言ってよいのである。(逆のP波:S波 = 1:100も同様)
厳密にいえば100:1の偏光は、ほんのちょっとだけ楕円偏光なのだが、それはもう少し続く偏光の記事にひき逃げさせて頂こう。

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