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THE BOHEMIANSとセカンドアルバムは名盤多いの法則

前回に続いてレビュー。

最初、THE BOHEMIANSは、ピロウズ主催のいつかの年末カウントダウンライブで、最初のほうに出演したバンドとしてお見かけした。
セットリストは、
・おぉ、スザンナ
・ロベレッツ
・恋はシンギンインザレイン
・That Is Rock And Roll
・ロックンロール
とかだったと思うが、ビートルズのメロディの要素がすごく感じられて(まんまじゃん、くらいに感じた)、今のバンドにしては珍しく、かえって新鮮だった。わたし、ロックスターの音楽の基本形はビートルズなので、引き付けられずにはいられない。このあと貼るけど、ライブのあとでPVを見てみると、あらためていい曲だった。

この頃、わたしは音楽対する心が乾いており、新たなる希望を見つけた気がした。
年をとるごとに、特定のアーティストにはまることがなくなってくる。ビートルズはじめ、ミスチルはじめ、いろんなメロディ浴びてるから。
憧れたいのに、憧れられない。
せっかく見つけた新たなる希望は、新たなる希望のままとどめたいというか、だいたいのケースにおいて、何かの曲がいいと思っても、フルアルバムを聞くとがっかりする。フルアルバムでどの曲も聴けるのは、スピッツくらいだ。
というわけで、せっかくの希望を潰すのが怖くて、THE BOHEMIANSのアルバムは聴きたくなかった。
という、わたしの複雑な気持ちを見事に無視して、シンプル思考の友人がプレゼントしてくれた。
それが2nd「憧れられたい」だった。
再生ボタンの3秒後、「メイビリーン」がすべての杞憂を吹っ飛ばしてくれた。
この一瞬の作用がロックンロールなんだと思うよ、本当に。再現性のない、だけど確かな答え。

全曲レビュー!
2nd Album「憧れられたい」
98点!
ぜんぶいい曲。(とはえい、特にいい曲に◎を付けた)

1. メイビリーン◎
聴くものを一瞬で倒しにくる。原曲はチャックベリーの曲ということなのだけど、実際はあまり似てないらしい。とはいえ、オールドロックをこんなに格好良くアレンジできてしまうのは只者ではない。1曲目で勝負あった!

2. 夢と理想のフェスティバルに行きたい◎
疾走感が素晴らしい。「もう何回か夢見てるぅ」のシャウトが響く。派手目のスピードナンバーなのに何度も聴きたい曲。

3. パーフェクトライフ
途中のボーカルの切り替え方がユニークなミドルナンバー。「端から端までがマイライフ。俺が使うんだね」とか、歌詞がいい。この曲含め、ボヘミアンズにフランス映画みたいなヨーロピアンなテイストを勝手に感じとっていたのだが、ルーツにはあまり(まったく?)関係ないようだ。

4. ガール女モーターサイクル
Girl on a ⇒ガールオンナ。シャレですね。「あの子見つけて恋をしないでいられるやつに用はない」など節々に雰囲気がある。日本人離れしてるというか、ヨーロピアン・センスなのかと錯覚してしまうほど、なかなか書けない歌詞。なぜか2ndアルバムの中で唯一カラオケ店に入っていたナンバー。

5. THE ROBELETS◎
文句なしに代表曲。上のPV参照。ライブだと、ビートりょう氏に絡んで歌詞をアレンジしてくれる(ことがある)。

6. Goodmusictime!!
折り返しを意識したスローナンバー。激渋い。年代もののワインかと思うくらい雰囲気がある。目立たないけど、いい曲。

7. 太陽ロールバンド
B面のはじまりを意識した疾走ナンバー。これも定番曲でベスト盤にも入っている。曲には関係ないけど、歌詞カードで太陽という単語をXXにしてるのがツボ。あと、わたしが注目するのが「おっさん」という歌詞。どう考えても格好よくない言葉のはずなのに、こんなに格好よく歌えるバンドはボヘミアンズの他にいないのではないだろうか。ちなみに、「じじい」という単語もかなり格好よく歌う。(6th albumの「tom the new old」とか)

8. 私のシンフォニー◎
小気味よいギター。アルバムはこっからさらにいい感じになる。雰囲気があるわ、ボーカルが乗ってくるわ、歌詞とメロディのはまり具合がたまらない。「君を知ったときに、みな、もう消えていた」
わたしにとっては「FaFaFa」までの流れがアルバム最大の聴きどころ。

9. 王国の謎◎
前曲の流れを継承し、さらに雰囲気に磨きがかかる。ヨーロピアンなのか何なのか、王国の謎だけに国籍不明ミュージック。この流れから切り出しても良曲!

10. 憧れられたい◎
シャンシャンという楽器とともに盛り上がる。ストーンローゼスのアルバムタイトルをいじった曲。歌詞とメロデイの絶妙なはまり方が最高潮に。この渦の中では「君に夢中さ」なんてベタな言葉も余裕で許容されてしまう。

11. FaFaFa(素敵じゃないか)◎
バラード。名盤の締めくくりにふさわしい秀逸なメロディライン。ここまでの乗りに乗った流れで、ボーカルが何かにとり憑かれ、2番の「馬鹿野郎」あたりの歌詞の部分で酔っ払ってるようにしか聴えないのがもう最高に好きだ。ただし、ライブ向きではない。この憑依状態は狙って出るものではない。わたしがTHE BOHEMIANSが実はスタジオバンドじゃないかというのはこの辺が理由かもしれない。

12. 五人の若者劇場『タイムマシーン秘話』
おまけの曲。素晴らしい。突き抜けてくれた。技量に裏付けられた落書きのような歌。ちゃんとストーリーになっている。ベストオブおまけの曲大賞をあげる。

2nd「憧れられたい」に見られた奇跡は、3rdアルバムの完成度も良く、ずっと続くように感じられていた。
だが、闇は忍び寄っていたのである。

続く(かもしれない)。

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