ラオス🇱🇦パラ陸上@コラート国際

ご無沙汰しています。
ラオスパラ陸上コーチの羽根です。

1月14日ー21日の期間、隣国タイ🇹🇭はコラートという所で開催(18日ー20日)された大会に我々ラオスパラ陸上チームが参加してきました。

この大会は今年5月に開催される神戸世界パラ陸上選手権、8月に開催されるパリ.パラリンピックの大会標準記録をクリアすべく最後の大会です。そそう、この大会で標準記録をクリア出来なければ両大会への参加は出来ません。

この最後の最後チャンスを活かすべくコーチ要請です。
結構なプレッシャーでした。

結論から言うと、選手2名が標準記録クリア。
Kone、100m(11”50(11“45))、400m(54“00(53”49))両種目でクリア。
Ken、走り幅跳び(5m60(6m06))でクリア。
*両方とも()内の最初の数字が標準記録で後が記録したタイム*
もう一名は練習期間が4回と短く今回は国際クラス分け取得がメインの目的でした。

晴れて両大会の参加資格を得ました。
安堵以外ないです。

いやー疲れました。
選手も重圧はあったでしょうが、自分も相当な重圧でその日が終わるとぐったり…

選手は頑張りましたよ！
コーチに復帰して練習内容を増やして強度も上げたんです。
ただし、時間がないので出来る範囲で。
そうしないと、標準記録突破はギリギリでどっちに転ぶか分からない現状でした。

なかなか調子も記録も上がってこず少し心配しました。
選手も自分には言いませんが不安感が見て伺えます。自分への信頼も揺らいでいたと思います。
ようやく1週間前位にタイムが上がって前日練習ではPBをマークするまでに回復。

選手の自信、自分への信頼も一気に回復したのを肌で感じました。
ただ、勝負には絶対はあり得ないので、その辺は気を抜かせないように細心の注意を払いました。
まじで一時期は自分も考え込みましたよ。
練習増やしすぎで失敗したかな？って。

結果、とくに走り幅跳びで6mオーバーが嬉しかった。自分が跳べなかった6m。100mも自分の高校生時よりよっぽど速いが400mだけはまだ自分のPBが上まっている。と自分のプライドを誇張しておきますw。

ここで注目なのが3番目の選手。
この子、義足装着でT64クラスなんです。
ラオスでは2人目ですが、競技会参加は初で国際クラス分け取得も初。
いやー感慨深い。

義足(ブレードといいます)は日本のXiborgという会社です。ブレードは1本20、30万円以上の高価なものです。途上国では欲しい気持ちがあっても購入するのは余程のことがないと不可能です。
ここXiborg社CEOの遠藤さんがラオスを応援してくれていて、ブレードを3本我々に預けてくれているんです。それがなければ実現出来ないことです。
感謝以外ないです。

ここで選手(Lozaと言います)の競技会終えての感想を。
100mもやり投げの楽しかったんだけど...
1番楽しかったのが200mだったと。
後ろからダッダッダッって音が聞こえてドキドキしたりびっくりしたりで抜かれて付いていこうとするも付いて行けず、頑張るけど、どんどん差が広がるもなんかそれがとても楽しかったと。
今後もっと練習すればもっと記録も良くなるだろうし、勝負も出来るかもしれない！って。

これ事前談があって練習4回くらいなんで100mはなんとか走れるだろうけど200mは絶対に無理だから棄権したいと！でも皆んなの説得(練習のつもりで60秒かかってもいいし、最後歩いてもいいから走れ！って)でしぶしぶ走ったんですよねw
で、100mが終わってから200mアップ時に断端(脚の切断部) に傷が出来て走れない感100%。でも日本人の義肢装具士の沖野大先生に泣きつき、まるで魔法を掛けたように痛む箇所を直してくれてLozaもびっくりしてました。ここでもまた助けられた。感謝以外ないです！

そんなこんながあってで、前記の発言。
皆んなで大笑い！！

やり投げでも一波乱あって1投目に生活用義足が壊れるハプニングに見舞われるもブレードに履き替えて残りの試技を投げ切りました。

全て終わってLozaにどうだ？また大会に参加したいか？を尋ねると、来たい！と、楽しかったと！
ちょっとLozaは次の大会まで期間がだいぶ開くんだけど徐々に練習してもう少したくましくなって参加しような！で本人納得してました。

最後に皆んなの動画を載せておくのでよければご覧ください。

100m Kone&Ken
走り幅跳び　Ken
100m Loza
やり投げ　Loza
400m Kone

では今回は長くなりましたがこの辺で！