見出し画像

手湿疹のはじまり

人はできなくなって初めて、その存在とありがたさを感じるものだ。

朝起きる = 布団をつかむ、手をついて起き上がる
トイレに行く= パジャマを下す、パンツを下す、レバーを引いて流す
歯を磨く = 歯ブラシをつかむ、歯磨き粉のチューブを押しだす
服を着る = 布を触る、ブラのホックが最難関
靴を履く = 靴を広げる、紐を結ぶ

今まで何でもなかったことが、痛くてたまらない。そうなると仕事に行く前に、もうすでにかなりのエネルギーを消耗している。

手は日常において、常に大活躍しているのだ。
痛みを感じることで、初めて手が使えると言うありがたさを実感することとなった。

2017年5月

そんな私の手湿疹は指の関節と掌から始まった。小水泡が出来て痒く、それが潰れパックリ割れて痛い。軽い手湿疹は経験があった。手持ちのフルコートを塗ったが、治らない。徐々に範囲が広がり1か月経った頃、「コレはヤバイかも」と思い始めた。

画像1

特に指先が使えないことが日常生活の中で一番辛かった。まず不自由を感じたのはスマホとキーボード操作だった。facebookやtwitterなど、SNSは ”たまに見るだけ” 会員になった。仕事でどうしても使うときは、音声入力などをした。スーパーに行き、バックから財布を探すのも痛い、財布からお金を出すことも痛い、そして、レジ袋が開けられず泣きそうになった。

画像3

でも、一ヶ月ぐらいで治ると思っていた。なぜだか治ると信じていた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?