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Enhancing Student Performance Prediction on Learnersourced Questions with SGNN-LLM Synergy

  1. 本研究の学術的背景,研究課題の核心をなす学術的「問い」は?

オンライン教育が急速に普及する中で、学習者が自ら学習コンテンツを作成する「学習者提供型学習」が新たな教育戦略として注目されています。しかし、学生が生成するデータにはノイズが含まれているため、学生のパフォーマンス予測は困難とされています。特に、学習者とのインタラクションが限られた状況でのパフォーマンス予測、いわゆる「コールドスタート」問題に対処する手法は十分に確立されておらず、本研究の課題はこの問題を解決することです。

  1. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は?

本研究の目的は、サイン付きグラフニューラルネットワーク(SGNNs)と大型言語モデル(LLM)の統合という新たな手法を提案し、学習者提供型学習における学生のパフォーマンス予測問題を解決することです。先進のNLP技術と学生の回答とその正誤を包括的にモデル化するソーシャルバイパーティットグラフを組み合わせることで、従来の手法では捉えきれなかった学生の認知スキルを評価し、学生のパフォーマンス予測の精度を向上させることを目指しています。

  1. 本研究の着想に至った経緯や,関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけは?

オンライン教育の急速な成長とともに、効果的な大規模教育の提供方法に対する関心が増加しています。その中で、学習者が教育リソースを自ら作成する「学習者提供型学習」が注目され、その学習効果を予測する手法に関する研究が行われていますが、学習者提供型学習における「コールドスタート」問題への対処法はまだ十分には確立されていません。この問題に対処するために、本研究ではサイン付きグラフニューラルネットワーク(SGNNs)と大型言語モデル(LLM)の統合という新たな手法を提案しています。

  1. 本研究で何をどのように,どこまで明らかにした?

本研究では、学生のパフォーマンス予測問題をサイン付きのバイパーティットグラフ上でのサイン予測として定式化し、学生の正解・誤答を包括的にモデル化しました。さらに、学生と問題の表現の頑健性を向上させるために、サイン付きバイパーティットグラフに対する新たなコントラスティブ学習フレームワークを導入しました。また、大型言語モデルを用いて問題のセマンティックな埋め込みを抽出し、これをグラフから学習した構造的な埋め込みと統合することで、語彙データが不足している「コールドスタート」の場合でも、一貫した視点から学生のパフォーマンスを予測することができることを示しました。

  1. 本研究の有効性はどのように検証した? 本研究では、学習者提供型学習プラットフォーム「PeerWise」から取得した5つの実世界のデータセットに対して実験を行い、提案した手法の有効性を検証しました。その結果、既存のアプローチと比べて、我々の手法が予測精度と頑健性の両方で優れていることが示されました。

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