見出し画像

TEQUILA-seq: a versatile and low-cost method for targeted long-read RNA sequencing

  1. 本研究の学術的背景は、長読みRNAシーケンス(RNA-seq)がトランスクリプトーム解析に効果的な技術である一方、現在の長読みシーケンスプラットフォームのスループット(一定時間当たりの処理量)が比較的低く、トランスクリプト(遺伝子のコピー)のカバレッジ(網羅度)を制限しているという現状です。学術的「問い」とは、このボトルネックをどのように克服すれば良いかということです。

  2. 本研究の目的は、特定の遺伝子パネルに対して長読みRNA-seqを対象とする新たな手法、TEQUILA-seqを開発し、その使用法を示すことです。これはあらかじめ選ばれた遺伝子の解析を目指すという、新しい創造的な手法であり、低コストで容易に実装できるところが独自性となっています。

  3. 本研究は、既存のRNA-seq技術の制約と、特にがん疾患の研究におけるそれらの技術の必要性から着想を得ています。具体的には、既知のがん関連遺伝子セットに着目し、全長トランスクリプトのシーケンスを取得することで疾患に関する新たな知識を発見しようとしています。

  4. 本研究では、TEQUILA-seqを使用して、468のがん関連遺伝子の全長トランスクリプトアイソフォーム(遺伝子の異なるバージョン)を40種類の代表的な乳がん細胞株でプロファイル化しました。特定のサブタイプで高まるトランスクリプトアイソフォームを特定し、TP53のような広く研究されたがん遺伝子で新たなトランスクリプトアイソフォームを発見しました。

  5. テキーラ-seqの有効性は、標準的な商用ソリューションと比較してリアクションごとのコストを2〜3桁減らすことができる点で検証しました。さらに、新たな形式の発見、特に特定のサブタイプで高まるトランスクリプトアイソフォームや新たなアイソフォームの発見などを通じて、その効果を検証しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?