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A polycistronic system for multiplexed and precalibrated expression of multigene pathways in fungi

  1. この研究の学術的な背景,研究課題の核心をなす学術的「問い」は何ですか?

  • 答え:この研究の学術的背景は、合成生物学における、複数の遺伝子の協調的な発現を支援する効率的なシステムの必要性である。研究課題の中心的な「問い」は、酵母や糸状菌において多遺伝子の発現を可能にするプロモーターの同定と、それを用いた多遺伝子経路の同時に制御された発現効率を高める方法の開発である。

  1. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は何ですか?

  • 答え:本研究の目的は、CRISPR/Cas9を用いたマーカーレスなゲノム編集と組み合わせて、高効率な多遺伝子経路の構築を可能にするHACKing(Highly efficient and Accessible system by CracKing genes into the genome)戦略を提供することである。HACKingは、主要なタンパク質に連結して目的の発酵条件下での遺伝子発現レベルを事前に調節することにより、各酵素の発現量を調整して複数の遺伝子を同時に制御することができ、シンプルかつ高速な方法で有用な代謝産物の生産に役立つ。

  1. 本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけは何ですか?

  • 答え:本研究は、多遺伝子経路の協調的な発現システムを迅速に開発することの重要性を認識した上で、HACKing戦略を考案した。経路工学は、重要な代謝物質の生産において大きな研究トピックとなっており、酵母や糸状菌の応用が盛んに研究されている。

  1. 本研究で何をどのように、どこまで明らかにした?

  • 答え:本研究では、CRISPR/Cas9を使用した高効率なゲノム編集技術と酵母や糸状菌における効率的な多遺伝子経路発現技術の開発に成功した。このHACKing戦略により、13個の遺伝子を組み合わせてシクロペンタノン、グルタチオン、スクアレン、モグロシド類の生成など、さまざまな代謝物質の生成に成功した。

  1. 本研究の有効性はどのように検証した?

  • 答え:本研究では、CRISPR/Cas9を用いた非マーカーな多遺伝子発現システムの設計に成功し、代謝産物(スクアレン、モグロシド)の生成に成功している。HACKing戦略は、実証済みの高い効率を有し、将来的には有用な代謝物の生産に向けた改善が期待されている。

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