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A molecule perturbation software library and its application to study the effects of molecular design constraints

1 本研究の背景は、計算機化学の分野で、分子設計が乱雑に行われると化学的に理にかなわない化合物が出来上がるという問題があります。核心となる学術的質問は、「分子の構築をどの程度制限すると、化学空間の探索が効果的になるのか」という問いです。

2 本研究の目的は、分子構築の制約をソフトウェアライブラリで制御し、その機能を分子生成器の開発に応用することによって評価することです。その独自性と創造性は、分子を操作するための一般的な機能を提供するライブラリ「Molpert」を開発したことにより、研究者が自分自身のバイアスや方法を他人に押し付けることなく、分子設計の研究を進められることにあります。

3 研究の着想は、化学空間を探索し願望の化合物を設計するために、分子の構築を制限する手法が広く使われていることから来ています。特に制限を設けると、生成される分子の医薬品のような特性や合成可能性が向上することが多いですが、一方で、探索空間の制限が、有望な化合物の発見を妨げている可能性があることに着目しました。

4 本研究で明らかにしたことは、分子構築の軽度な制限が、化学空間を探索する最適化アルゴリズムに対するガイダンスを提供する一方で、過度な制限は化学空間の探索を妨げる可能性があるということです。また、「Molpert」というソフトウェアライブラリを開発し、その機能を分子生成器の開発に適用しました。

5 本研究の有効性は、Molpertを使用して構築した分子生成器を使い、分子の構築制約をいくつかのレベルに設定し、それぞれの制約レベルでの生成分子の特性と探索速度を比較することで検証しました。

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