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A multi-ancestry polygenic risk score improves risk prediction for coronary artery disease

1. 本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」は何ですか?
本研究の学術的背景は、冠動脈疾患(CAD)に対する危険因子には遺伝子の影響が強く、ゲノムワイドポリジェニックスコアの開発が提案されています。本研究の課題は、異なる人種背景においてCADおよびCAD危険因子と遺伝子関連性を解明し、ゲノムワイドポリジェニックスコアによるCADのリスク予測を高度化することです。

2. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は何ですか?
本研究の目的は、異なる人種背景においてCADのリスク予測を可能にするゲノムワイドポリジェニックスコアの開発を行うことです。GPSMultという新しいポリジェニックスコアを提案し、異なる人種背景において高い関連性を示し、先行研究を上回る性能を達成しました。この研究によって、異なる人種・民族のCADリスク予測に対応するゲノムワイドポリジェニックスコアの開発が進められ、健康に関する大規模データ解析において新たな手法が開発されたという独自性と創造性があります。

3. 本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけは何ですか?
以前から、CADに対する危険因子には遺伝子の影響があることが指摘されており、多数の研究によってCADと遺伝子関連性について検討されてきました。本研究では、5つの人種背景におけるCAD疾患と10種類のCAD危険因子に対する遺伝子関連データを統合して、新しいゲノムワイドポリジェニックスコアであるGPSMultを開発しました。

4. 本研究で何をどのように、どこまで明らかにした?
本研究では、異なる人種・民族においてCADリスク予測に有用なGPSMultポリジェニックスコアを提案し、異なる人種背景でも高い関連性を示すことができました。GPSMultは、CADの既往の有無や大規模な多施設臨床試験のリスク予測にも用いることができます。

5. 本研究の有効性はどのように検証した?
本研究では、異なる人種・民族における33,096から124,467人の参加者を含む外部検証データセットで、GPSMultが先行研究を上回る性能を示すことが確認されました。特に、CADに対する既往があるか否かに関わらず、CADの発症リスクを高精度で予測することが可能です。

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