Deep learning-based polygenic risk analysis for Alzheimer’s disease prediction

アルツハイマー病(AD)の多遺伝子性から、複数の遺伝子変異が疾患感受性に共同で寄与していることが示唆されています。個人の遺伝的変異は生涯を通じて一定であるため、複数の疾患関連遺伝リスクの複合効果を評価することで、信頼性の高いADリスク予測が可能となります。ゲノムデータは複雑であるため、現在の統計解析ではADの多遺伝子リスクを包括的に捉えることができず、満足のいく疾患リスク予測はできませんでした。しかし、高次元ゲノムデータ内の非線形性を捉える深層学習法は、より正確な疾患リスク予測を可能にし、AD病因の理解を深めることができる可能性があります。そこで、ADの多遺伝子リスクをモデル化するための深層学習ニューラルネットワークモデルを開発しました。

研究方法

AD多遺伝子リスクをモデル化するニューラルネットワークモデルを構築し、広く用いられている重み付け多遺伝子リスクスコアやlassoモデルと比較した。ロバスト線形回帰分析を行い、深層学習法から得られたAD多遺伝子リスクとADエンドフェノタイプ(血漿バイオマーカーや個人の認知パフォーマンスなど)との関係を調べた。ニューラルネットワークモデルの隠れ層からの出力に教師なしクラスタリングを適用して、個人を層別化しました。

結果

深層学習モデルは、ADリスクのモデル化において他の統計モデルを凌駕しています。さらに、深層学習モデルから得られた多遺伝子リスクは、疾患に関連する生物学的経路の同定や、異なる病理学的メカニズムに基づく個人の層別化を可能にした。

結論

この結果は、ADなどの遺伝的リスクのモデル化、疾患リスクの分類、疾患メカニズムの解明などに深層学習手法が有効であることを示唆しています。

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