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A critical review of machine-learning for “multi-omics” marine metabolite datasets

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0010482523008909

1. 本研究の学術的背景・問い
最近の10年間で、各種の海洋生物に対するゲノム、転写産物、タンパク質、代謝物等を対象とする「オミクス」データセットが生成され、その数は増え続けています。これらの海洋生物は、生物活性を有する新規な副代謝物を合成するためのユニークで多様な生合成経路を持っています。そして、海洋生物はストレス環境への適応能力が高いため、生物技術の応用可能性を持った新規な生物活性代謝物を見つけるチャンスが高いとされます。こうした背景の中で、海洋生物の代謝物の特性を理解するために、どのような「オミクス」や「多元オミクス」アプローチが利用可能なのか、どのような機械学習アルゴリズムの開発が必要なのかという問いが本研究の核心をなす学術的問いとなります。

2. 本研究の目的・独自性
本研究の目的は、海洋代謝物を特性づけるために用いられる「オミクス」や「多元オミクス」アプローチ、まだ新規のデータ統合ツールを総合的に概観することです。また、「多元オミクス」アプローチのための機械学習アルゴリズムの開発の必要性について議論し、「多元オミクス」研究を行うにあたっての課題と推奨事項についても議論します。これにより、海洋生物からの新規生物活性代謝物発見に向けた新たなフレームワークを提供することが、本研究の独自性と創造性となります。

3. 本研究の経緯・位置づけ
過去数年にわたる生物学の発展により、海洋生物のオミクス解析が進んできました。その一方で、その解析結果に基づいた有用な生物活性物質の発見や応用に向けた取り組みはまだ始まったばかりとなります。これらのオミクス情報を統合的に理解し、有用な生物活性物質の発見や識別のための新たなアプローチを模索することが求められています。そうした中で本研究は、オミクスデータを活用した新たな取り組みを提供するものであり、解析手法の発展と応用につながる重要な一歩となります。

4. 本研究で何をどのように、どこまで明らかにした?
本研究では、「多元オミクス」手法を用いることで海洋生物からの新規生物活性代謝物の発見のための新たなアプローチを紹介しました。また、「多元オミクス」データの解析に関する課題や機械学習アルゴリズムの開発等についても考察し、これまでのオミクス解析の利点や欠点、それらの実施にあたっての推奨事項等についても明らかにしました。

5. 本研究の有効性の検証
この研究は概観・レビュー型の文章であり、具体的な有効性の検証は行われていません。

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