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Towards Ontology Construction with Language Models

  1. 本研究の学術的背景は、知識の高度な構造化表現であるオントロジー(概念体系)の自動構築にあります。人間がこれを行うには多大な時間と労力がかかるため、これまで自動あるいは半自動のオントロジー構築手法が提案されてきましたが、これの実用化には課題があったため、本研究では大規模な自然言語モデル(LLM)を活用する方法を提案しています。つまり、学術的「問い」は、「大規模な自然言語モデルを用いて、オントロジーを自動的に作り出すことができるだろうか?」ということになります。

  2. 本研究の目的は、大規模な自然言語モデル(LLM)を用いてオントロジー(概念体系)の自動構築を試みることで、その実現可能性を探ることです。既存の手法はオントロジーの概念と属性名を事前に指定する必要があったが、本研究ではユーザーが与えるコンテキストに基づいてキーワードやフレーズを生成するLLMの能力を利用して、それらを生成する新たな手法を提案しています。学術的独自性と創造性は、この新手法を提案し、実際にどの程度有効であるかを検証するところにあります。

  3. 大規模な自然言語モデル(LLM)がパワーアップするとともに、その応用範囲が広がっています。学術研究の中でも、LLMが隠れた知識を持っており、それを利用することに注目が集まっています。本研究ではその中でも、LLMを用いてオントロジーを自動で生成するという新たなアプローチをテストしています。

  4. 本研究では、LLLを用いて、植物や音楽など様々なドメインでオントロジー(概念体系)を自動構築する方法を提案しました。特に、はじめの概念を種として、それに関連する概念を大規模な自然言語モデル(LLM)に問い合わせることで、その体系を伸ばしていく「クローリング」手法を開発しました。この結果、生成されたオントロジーは手動による検証なしにもかかわらず、かなり合理的なものであると主張しています。

  5. 本研究の有効性の検証は、LLMにより生成されたオントロジーを手動で検査することによって行われました。典型的な評価尺度(精度や再現率)は適用できないため、主観的な評価を行いました。生成されたオントロジーのクラスはドメインに関連するものであり、また「is-a」関係性におけるクラス間の関係性が豊富に提案されるとの観察結果から、有効性を確認しています。

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