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mRNA vaccine quality analysis using RNA sequencing

1 本研究の学術的背景は、mRNAワクチンの成功がその製造技術の進化によるものであり、その製造過程においては、効果を下げたり副作用を引き起こす汚染物質の検出やワクチンの完全性の確認を求められることです。これらは現状、時間とコストがかかる多くの手法によって分析されています。大切な「問い」としては、「長読みのナノポアシーケンスを使った新しい、効率的なmRNAワクチンの分析方法を開発できるか」という点が挙げられます。

2 本研究の目的は、長読みのナノポアシーケンスを用いたmRNAワクチンと治療法の新しい分析手法、VAX-seqを開発し、統合的にmRNAワクチンの品質を測定することです。これまでまとめた分析方法ではなく、1つの方法で主要なmRNAワクチンの品質要素を測定することで、研究はその独自性と創造性を有しています。

3 mRNAワクチンはCOVID-19パンデミックで安全性と効果が証明され、他の疾患に対する新しい治療法が開発されています。しかし、これらの治療法の効果は品質が高く、迅速で安全な製造方法に依存しています。RNAシーケンシングは細胞遺伝子発現の分析で広く使用されていますが、mRNA薬物の分析と製造では未だ利用されていません。本研究は、新しい検査方法VAX-seqの開発を試みており、この新たな動向の中に位置づけられます。

4 本研究で明らかにしたのは、開発されたVAX-seqプロトコルが、産業標準の技術と比較し、mRNAワクチンと治療法の主要な品質機能(シーケンス、長さ、完全性、純度)を網羅的に測定できることです。また、RNA直接シーケンシングの利用で、mRNAワクチンの化学的な側面を分析できることも示しました。

5 本研究の有効性は、短読み・長読みシーケンシング法(IlluminaとOxford Nanopore Technologies)を用いてmRNAワクチンと治療法の分析を試みた結果で検証されました。それぞれの方法から得られる情報と、mRNAの品質にどのように影響するかの評価結果により、VAX-seqの利点が明らかにされています。

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