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Single-cell massively-parallel multiplexed microbial sequencing (M3-seq) identifies rare bacterial populations and profiles phage infection

### 1. 本研究の学術的背景,研究課題の核心をなす学術的「問い」は?
本研究の背景となる問いは、「どのように個々の細菌の行動がストレス下で変化するのか」であり、「滅多に見られない特異な細菌のサブグループをどのように特定・特徴づけるか」が研究の核心です。これらは、一般に、微生物の順応性と多様性、そしてストレス応答の解明に関わる重要な問いです。

### 2. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は?
本研究の目的は、大規模で多様な微生物の単一細胞RNAシーケンスを可能にする「M3-seq」(Massively-parallel Multiplexed Microbial Sequencing)の開発です。本研究の独自性と創造性は、組み合わせ的な細胞インデクシングと、後処理で行うリボソームRNA(rRNA)の除去を組み合わせたこの新技術にあります。

### 3. 本研究の着想に至った経緯や,関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけは?
単一細胞のトランスクリプトーム(全RNAを対象とした研究)を詳細に調べる技術が進化し、細胞のサブグループを特定し、それが組織や生命全体の動作にどう影響するかを理解しようとする研究が盛んに行われています。しかし、これまでの技術では、プロファイル化できる細胞数やトランスクリプトの数に限りがありました。本研究はこの問題を解決し、より広範で詳細な単一細胞解析を可能にします。

### 4. 本研究で何をどのように,どこまで明らかにした?
我々は単一の実験でさまざまな状況下の異なる種の細菌細胞をプロファイルできる単一細胞RNAシーケンシングプラットフォーム、M3-seqを開発しました。さらに、数十万の細胞にM3-seqを適用することで、まれな細胞集団を明らかにし、ストレス応答に関連したベットヘッジング(進化戦略の一つで、不確定な環境下でのリスク分散)の洞察と、ファージ感染(細菌を感染するウイルス)に関する特性を明らかにしました。

### 5. 本研究の有効性はどのように検証した?
M3-seqの有効性は、異なる種の細菌細胞をプロファイルできることを示すことで検証しました。また、具体的に数十万もの細胞に適用し、その結果からまれな細胞集団やストレス応答に関連した洞察を得ることができました。

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