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Macrocyclization of linear molecules by deep learning to facilitate macrocyclic drug candidates discovery

  1. 本研究の学術的背景,研究課題の核心をなす学術的「問い」は?

  • 最近、マクロサイクルを潜在的な治療薬として研究する関心が高まっている。バイオアクティブな非環式分子をマクロサイクル化することで、生物学的活性や物理化学的性質を向上させることができる。本研究では、マクロサイクルを計算化学によって生成する手法 (Macformer) を提案している。

  1. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は?

  • 本研究では、機械学習アルゴリズムを用いて非環式分子からマクロサイクルを生成する計算化学手法を提案した。Macformerは、マクロサイクルに適したリンカーを非環式分子に追加することで、マクロサイクルの構造化学について学習し、多様な種類のマクロサイクルを生成することができる。さらに、内部の ChEMBL データベースや外部のZINCデータベースを用いて、Macformerの汎用性と優れた性能を実証した。

  1. 本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけは?

  • マクロサイクルを合成し、医薬品として開発する研究は、世界的に注目を集めている。当初は、マクロサイクルは複雑で合成しにくい分子であったが、近年、技術の進歩によりより容易に生成することができるようになった。本研究で提案された手法は、計算化学を用いてマクロサイクルを効率的に生成できる点が、既存の手法との違いである。

  1. 本研究で何をどのように、どこまで明らかにした?

  • 本研究では、Macformerというアルゴリズムを用いて非環式化合物からマクロサイクルを自動的に生成した。データ拡張シナリオにおいて、内部ChEMBLと外部ZINCデータベースを用いた実験結果において、Macformerを用いた精度が高いことが示された。Macformerは、実験シミュレーションと湿潤実験の両方を実施し、JAK2阻害剤等のマクロサイクルを設計するために有用であることが示された。

  1. 本研究の有効性はどのように検証した?

  • 本研究では、提案されたMacformerによって生成されたマクロサイクルと、既存の手法で生成されたマクロサイクルを比較し、Macformerが生成するマクロサイクルが、より化学的に多様であることを示した。また、実証実験によりJAK2阻害剤を設計する際にMacformerの有用性を確認し、合成実験によって実際に生成することが可能であることを示した。

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