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Zero-shot information extraction from radiological reports using ChatGPT

  1. 本研究の学術的背景と問い:
    電子健康記録には非常に大量の有用な情報が含まれていますが、多くは自由形式のテキストで記録されています。情報抽出は、文字の連続体を構造化されたデータに変換する戦略であり、二次分析に利用されます。しかし、伝統的な情報抽出コンポーネントである固有名詞認識や関連性抽出は、モデルのパラメータを最適化するために注釈付きデータを必要とするため、情報抽出システムを構築する際の主要な障害の一つとなっています。そのような背景から、本研究における学術的な問いは、「ChatGPTという大規模な言語モデルは、放射線報告から有用な情報を零ショット(訓練データなし)で抽出することができるのか?」というものです。

  2. 本研究の目的と独自性・創造性:
    本研究の目的は、ChatGPTが放射線報告から有用な情報を抽出できるかどうかを検証することです。固有名詞認識や関連性抽出などのパラメータ調整が不要な大規模な言語モデルを用いて情報抽出を試みるという観点で、本研究は独自性と創造性を持っています。

  3. 本研究の着想と位置づけ:
    大規模な言語モデルがパラメータ調整なしにもかかわらず様々なNLPタスクで良好な結果を達成していることから、本研究の着想が生まれました。また、本研究は医療の現場で生まれる大量の自由形式テキストデータから有用な情報を抽出する新たな手法として位置付けられています。

  4. 本研究で明らかにしたこと:
    ChatGPTを用いて、放射線報告から有用な情報を抽出する手法を開発しました。この手法により、ChatGPTは既存の情報抽出システムと比較して、一部の抽出タスクにおいては競争力のある結果を達成することが可能であることが示されました。しかし、さらに改善が必要な部分も存在することも明らかにしました。

  5. 本研究の有効性の検証方法:
    北京大学癌病院から収集した847のCT報告書を用いて実験を行い、その結果を基に本研究の有効性を検証しました。

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