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Expanding the chemical space using a Chemical Reaction Knowledge Graph

  1. 学術的背景・問い
    化学反応のエンコーディングを用いて新しい分子の設計を行うための新しいアプローチは可能なのか、というのが本研究の研究課題の核心をなす学術的な「問い」です。

  2. 学術的目的・独自性・創造性
    本研究の目的は、USPTO(United States Patent and Trademark Office)データセットから抽出された化学反応の知識グラフエンコーディングを使用して、化学空間を拡張し、実行可能な合成ルートとともに新しい化合物のライブラリを生成する新しいモレキュラデザインのアプローチを提示することです。
    我々の提案する方法の独自性と創造性は、化学反応の知識グラフに基づいて合成予測を実行することで化学空間を拡張でき、さらにそれにより新しい化合物のライブラリを生成できることにあります。

  3. 研究の経緯・研究動向・位置づけ
    本研究は、USPTOデータセットから抽出された化学反応の情報を用いることで、従来では想定できなかった化学空間の拡張と新しい化合物の設計を試みるという新たなアプローチを取っています。

  4. 研究成果
    本研究では、知識グラフにおけるリンク予測としてROC-AUCスコア0.861を、そして生成された製品の予測においてはtop-1の正確性0.924を達成しました。また、USPTOで高い反応確率を持つ反応を予測することで、新たに生成された化合物のセットが示され、それらは多様性を持つとともに、多くが薬物様の性質を示しました。

  5. 有効性の検証
    生成された化合物の多様性と薬物様の性質は、定量的構造活性関係(QSAR)モデルを使用した評価により確認されました。また、提案された化合物の中には、ドーパミン受容体D2(DRD2)の調整剤の可能性を示すものもありました。

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