「抱きしめた」の事

新しいアルバムを作る前、一度だけミーティングをした。レーベルオーナーの小山内君と、その後「共同プロデューサーやってくれや」とお願いする事になるハーフビー高橋君と3人で。

僕は「今までは外国人にヴォーカル依頼してたけど、今回は実際に自分が会った事があって、しかも俺の事を嫌いではなさそうな人に。例えば曽我部さんとか」と言った。

曽我部さんとは何年も前に京都のメトロでのイベントの時に初めて話して、昔よく行ってた岡山のレコード屋の話をしたりとかして楽しかったし(曽我部さんは当時香川だけど岡山の予備校に通っていた)、その後、下北でのイベントに出演した時はわざわざ電話くれて打ち上げに誘ってくれたりしたし、嫌われてはないはずだと思ってた。

その後、小山内君が東京でのライブイベントで曽我部さんと会った時にその事を話すと「全然歌うよ!」と快諾してくれたと聞いた。その話を聞いた時は泣いた。だって、あの『東京』とか「ギター」の人が自分の曲で歌ってくれるのだから。

サニーデイの「苺畑でつかまえて」みたいな、キーの高い曽我部さんヴォーカルを想定してメロディーを作った。で、お願いしてないのにアコギも弾いてくれた。アコギは、アナログの7インチシングルに入ってる「Version2」と、「アルバム・ヴァージョン」が効果的に入っていると思う。

曲を作ったその頃、僕はまたあほみたいに恋をしていたので、歌詞を書いてもらう前にそんな事とかを伝えようとも思ったけどやめた。そんな事は言わない方が良いと思った。で、出来たのかこれです。すごくない?「白い法則」って何?すごすぎ。ちなみにアルバム1曲目のタイトルは「White Law」です。

僕がもし歌を上手く歌えたら、自分で歌って、この曲は生まれなかったでしょう。今回のアルバムのプチテーマは「頼る」です。これまでのアルバムはジャケも何もかも自分一人で作りましたが、今回はプロデュースを高橋君に頼り、ジャケも江森さんに頼りました。ヴォーカルも、たたみのさんや、かわべ君や、メガネに頼りました。いかがでしょうか。

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