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主夫と暮らせば

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専業主夫(アルさん)との生活日記
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2019年5月の記事一覧

#16 個々人の権利と強者の特権

 前のエントリで婚姻制度の話を例に、マジョリティとマイノリティの関係は固定的ではないということを書いた。今回もその話をもう少し続けてみたい。  「病人と健常者」という軸で見れば私はマジョリティだけれど、男女という軸で見ればアルさんはマジョリティになる。彼は外出時に体力的・体調的な心配があるし、それなりに備えていかなければならないが、「わざとぶつかる人」に出会うこともないし痴漢に遭う心配もしなくていいし身体的な脅威を警戒する必要がない。  私は健常者なので体力的なことや移動そ

#15 婚姻制度について思うこと

 アルさんと自分の関係を考えていく中で、同じように「差別」と呼ばれているものでも、マイノリティ集団がいることを前提とした差別とマイノリティ集団が存在しないかのように扱う差別で構造が少し異なっているのではないかということを考えるようになった。  一般的に、女性差別は差別のラスボス、最後に残るのは女性差別と言われているらしいのだけれど、その理由も差別の構造を補助線に考えてみると納得がいくように思える。  現在の日本の婚姻制度は異性愛で一夫一婦制しか想定していない。かつては「妾」