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”だれかに話したくなる小さな会社”で学ぶスタッフをブランディングする方法

ブログでは個人がブランディングについて最初に考えるべき内容をお話しました。noteではあなたの会社が大きくなり、スタッフの数が増えた時に考えるべき内容についてお話します。

会社のブランディングに成功したとしても、スタッフがブランドに反する行動を取ってしまっては社内だけでなく、お客様、取引相手、見込み客といった多くの人を失望させてしまいます。

そういった事態を引き起こさないためにも、スタッフ一人ひとりにも「自分は会社のブランドを背負って働いている」と認識してもらうことが必要になってきます。

今回の記事ではブランド会社の人材育成の方法について、「だれかに話したくなる小さな会社」の内容からお話します。

チーム・ビルディングという考え方

チーム・ビルディングでは社員をコントロールするのではなく、チームを作るという感覚が大切です。指示でも管理でもなく、成功を分かち合えるチームを作ることを目指して行います。

なぜこれをやる必要があるのか?
社長は常に現場にはいません。社長には社長にしかできない仕事、例えばあいさつ回り、他の会社へのプレゼン、イベントへの参加…といった仕事があるのです。

忙しくあちこちを飛び回る社長がいなくても会社が運営され、ブランドを維持できるようにするために絶対に必要なのです。

そんなチーム・ビルディングには2つのアプローチがあります。

1.ヒューマンタッチ
社長やマネージャークラスがコミュニケーションを直に取りながら進めていく人to人のアプローチです。
大切なアプローチではありますが、この方法にはある問題があります。
先述した、社長やマネージャーは忙しく時間に限りがあるということです。

この問題を解決するのが次のアプローチなのです。

2.システムタッチ
これはヒューマンタッチと同時に進行させます。
社長やマネージャーがいなくても「システム(仕組み)」としてモチベーション向上、社員のブランド力の維持・向上ができるようにします。

自立したチームに必要なものは?

チーム・ビルディングは簡単に言えば社長やマネージャーがいなくても経営できるようにするチームを作る、すなわち自立したチームを作るための仕組みです。

では、そんな自立したチームを作るうえで最も大切で最初にやるべきことは何か?

それは「仕事観の共有」です。
人間は仕事が単なる労働ではなく自分の人生にとても良い影響を与えていることを知ることで、自然に仕事を大切にし始めるからです。

そんな仕事観の共有を行う仕組みの中核を成すのが次に紹介する「クレド」なのです。

クレドを使ったチーム・ビルディング

「クレド」という単語を初めて聞いたという方も多いでしょう。直訳すると「信条」。ここでは簡単に「会社の経営理念」と理解していただければOKです。

クレドで有名なのは「ザ・リッツ・カールトン」でしょう。
クレドに関してだけで1冊の本になっているくらいですから。

ではそんなクレドは何のために作るのか?

それは会社のブランディングはもちろんのこと、スタッフ一人ひとりが深く自由に解釈し、普段の業務に反映していくことで社長の負担を軽減する目的もあります。
1項目でも一般的な内容でもいいので、会社の文化を表現するようなフレーズを紙に書き出します。

クレドを作った後は?
ラミネートなどで表面は保護せずに名刺用の紙で印刷し、全スタッフに渡します。ラミネートをしないことでクレドはボロボロになります。
つまり、どれだけ使ったがひと目で分かるようにするのです。

ここで気をつけるべきことはクレドを作ると同時に、クレドに書かれた一文一文をスタッフが深く理解し実行していく仕組みを、会社のルーティンワークとして組み込まなければその効果は半減してしまうということです。

要するに毎日クレドを見て考える習慣を会社側で作る必要があるということです。

クレドを習慣化させるためには?
習慣化させるためには習慣化を導くようなプログラムが必要です。この本では「クレド・ルーティン」として紹介されていますので、簡単にまとめます。

準備
・1週間に1回(10~15分程度)、クレドについて語る会を開く
・1回のルーティンでは1項目のみについて語り合う
・人数は1つのグループで多くても5名程度
・ルーティンを行う際、その週のリーダーを決める(毎週変える)
※社長や役員、マネージャークラスが率先してリーダーになると、チームは「自主性」を失う点には注意。
・このミーティングでは社長も役員もフラットな立場で参加すること。

ワーク開始
・全員クレドを持参して円になる。
・リーダーはその日に話し合うクレドの1項目を読み上げる。そして、そのクレドに関連した意見や最近あったエピソードなどを1分程度で皆に向かって話す。
・終わったら時計回りで順番にリーダーと同様、それぞれの参加者がそのクレドに関連した意見やエピソードなどをシェアする。それぞれの持ち時間は1分程度。ルールとして、他のメンバーへの批判やネガティブな意見は✕。
・リーダーに返ってきたら、リーダーは1分程度で皆の意見をまとめあげ、このルーティンを終える。リーダーは最後の責任として必ずポジティブな雰囲気でその場が終わるようにする。

ここまでが本で紹介されたクレド・ルーティンのやり方の内容です。
会社によってアレンジしても面白いのではないでしょうか?

クレド・ルーティンの成功とは?
ここまで紹介してきたクレド・ルーティンですが、どうなれば成功なのか?
それは社長やマネージャーに「クレド・ルーティンをやろう」と先に言われなくても自主的にスタッフ同士がやり始めたらです。効果のチェックポイントは、クレドに書かれていることが社内全体の口癖としてスタッフの会話の中で聞こえるようになったかです。

ニュースレターの必要性

最後の項目として、ニュースレターを発行することのメリットを2つ紹介します。

対外的にも対内的にも効果がある
社外の人に経営方針や経営者の考えを伝え、どんな人がどんな会社を経営しているのかを知ってもらうことの他に、社内に対しても共有という形で「社員教育」の一環になります。

継続して発行することで信用を得られる
逆に言えば1度やると言って辞めてしまうと想像以上に会社の信用を落とす。なので発行する時には覚悟が必要です。毎月が厳しいなら半年、1年に1回でもOKです。

まとめ

今回紹介したのは「だれかに話したくなる小さな会社」でした。

この記事では「スタッフをブランディングする方法」についてお話しました。

スタッフのブランディングには
・「チーム・ビルディング」
・仕事観を共有するための「クレド」
・クレドを習慣化させる「クレド・ルーティン」
・対外的、対内的にも効果的な「ニュースレターの発行」
が必要だという内容を紹介しました。

スタッフのブランディングは一筋縄では行かず、かかる時間も決して少なくないことが分かる内容でした。

しかし、時間がかかると言ってここを適当にしてしまうと、後で取り返しのつかない事態に発展する危険もあります。

自分の会社を長く存続させたいと思う人にはぜひ手に取っていただきたい1冊です。

今回はここまで。

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