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社会人チーム『ルーキーズ』の挑戦

はじめに

ハンドボールの未来へとチャレンジしていく方たちをゲストに迎え、あんなことやこんなことを対談しました。今回は愛知県を舞台にハンドボールの面白さを追求している社会人クラブチーム、『ルーキーズ』に注目し、代表にお話を伺いました。
以下、Q&A(Q:著者・A.加藤さん)にてご紹介します。

ルーキーズ代表 加藤豊さん

Q.自己紹介をお願いします。
A.愛知県豊田市在住の加藤豊です。 現在は中京大学で働いていますが、仕事ではハンドボールと一切関わりはありません。 ハンドボールは中学校から大学まで部活動、体育会で続けましたが、全く上手くなりませんでした…。 ルーキーズのほかに、マスターズでは福井県のチーム・HC金津さんに参加させてもらっています。 ハンドボール観戦も好きで、全国各地に出没しています。

Q.ルーキーズを始めたきっかけは?
A.ルーキーズの前身となるチームは、愛知県立安城東高校のOB数名で発足しました。WEBの掲示板で参加者を募り、お互い初対面の男女含めて20名弱で練習が始まりました。その後、みんなでチーム名を考えた結果、「ルーキーズ」に決定しました。ただ、途中で設立メンバーが仕事で愛知県を離れてしまい、運営が難しくなった時期もありました。いつからか私がHP管理、メンバー募集、体育館予約、練習の仕切り等を行うようになりました。

Q.ルーキーズのコンセプトを教えてください。
A.「エンジョイハンドボール」です。自分のやりたいポジションで、自分のやりたいプレーを、自分のペースで楽しむことを大事にしています。


Q.ルーキーズは何年目のチームなのですか?
A.2006年頃から始まりました。17年目となります。

Q.メンバーは何人いるのですか?
A.グループLINEの登録上では、75人です。

Q.どの位のスパンで練習しているのですか?
A.公共の体育館の予約次第ですが、だいたい月1〜2回です。

Q.練習場所はどちらですか?
A.スカイホール豊田、豊田市運動公園体育館、岡崎市体育館、岡崎市中央総合公園体育館などです。

Q.誰でも参加出来ますか?
A.どなたでも大歓迎です。「来るもの拒まず、去るもの追わず」の姿勢で、強制等は一切しません。

Q.年齢制限はありますか?
A.ありません。現在は、10代~50代まで幅広い年齢構成になっています。チーム内で特に年齢分けもせず一緒に練習します。ただ、休憩だけは、年配メンバーのペースで取らせてもらっています(笑)

Q.練習には平均何人位集まりますか?
A.毎回20名弱のメンバーが参加しています。参加者が多い時は、3チーム作ってゲームを回すこともありますよ。

Q.参加するにはどの様にアポをとれば?
A.次の二つの方法があります。いずれもチームHPに記載しています。
https://rookies-handball.amebaownd.com/

(1)チームの掲示板に書き込んでもらう。
http://www3.ezbbs.net/cgi/bbs?id=koro1017&dd=12&p=15

(2)メンバー募集サイト「スポーツやろうよ!」からメッセージを送ってもらう。
https://www.net-menber.com/look/data/91260.html

Q.会費は?
A.練習に参加するごとに1,000円をいただいています。ただし、ご新規さんと高校生以下は、無料です。


Q.練習での面白エピソードを教えてください。
A.メンバーには学校の先生が何人かいて、ルーキーズでの練習後に、お互いの学校で練習試合が決まったみたいです。男女の若手メンバー同士が付き合い出したのは良いのですが、その後うまくいかなくなったら二人とも練習に来なくなりました…。

Q.チームを運営する事で大変なことは?
A.練習場所が公共の体育館のため、使用できるかどうかは毎月の予約抽選で決定します。できるだけ月1回ペースで練習を継続することに苦労しています。また、「自分のペースで」と謳っているため、練習に何人来るかが当日まで分からないことです。

Q.ルーキーズをやっていて良かったと思えることはどういったことでしょうか?
A.幅広い年代の方たちと接点を持つことができたことです。例えば、メンバーには娘の中学校の同級生や後輩もいて、一緒にボールを追いかけています。普通はあり得ないと思います。
他には、強豪校の出身のメンバーから自分の知らないハンドボールの知識を聞くことができ、いつも勉強になることです。

Q.試合には出場しているのですか?
A.現在、豊田市ハンドボール協会と岡崎市ハンドボール協会に登録しています。
コロナ禍で開催されないこともありますが、年に4回程度の大会に参加します。

Q.クラブチームの魅力を教えてください。
A.知らない者同士が繋がる唯一の共通項は、「ハンドボールが好き」ということです。部活や体育会のハンドボールでは、監督やチームの意向に基づいて動かざるを得ないことが多々あります。
しかし、クラブチームでは純粋に自分の意志でハンドボールに向き合うことができます。

Q.他のチームにはないであろう魅力は?
A.年齢も出身も球歴も全員バラバラで、参加するに当たって敷居が低いことです。そのため後から入ったメンバーも、気兼ねする必要が全くありません。いろんな理由で少し離れてしまっても、また気軽に練習に来てもらえます。練習中に専属カメラマン(私)がプレー中の写真を撮影し、グループLINEで共有しています。自分のシュートシーンの画像は喜ばれます。


Q.ルーキーズのこれからの目標を教えてください。
A.(1)岡崎市でトップにいるチーム・HC美川に勝つことです。楽しみな若手メンバーが増えてきましたので、近いうちに実現できると思っています。(2)ルーキーズでマスターズチームを作り、試合に出場することです。動ける40代を探すことが、実は一番難しいかもしれません。

Q.加藤さんのハンドボールとの出会いは?
A.中学校の部活で、初めてハンドボールと出会いました。野球やサッカーのように経験者のいないスポーツで、かつ、道具にお金がかからないという理由で選びました。しかし、とにかくルールも分からないし、点が入るまでのプロセスもよく分かりませんでした。そもそも球技は得意ではなかったので、ポストで立っとけと言われました(笑)

Q.JHLで応援しているチームは?好きな選手は?
A.琉球コラソンです。ファミリア会員ナンバーが一桁台の古参です。好きな選手は、東江大輝選手です。アンダーからのステップシュートにいつもしびれてます。海外では、既に引退していますが、クロアチアのイヴァノ・バリッチ選手です。

Q.ハンドボール業界を盛り上げていくには何が必要だと考えますか?
A.社会人になっても気楽にハンドボールをプレーできる場所を作って、学校での競技人口をできるだけ維持することだと思います。ハンドボールは年齢が上がるにつれて、上位カテゴリーでないとハンドボールをプレーする環境が激減します。
しかし、全国大会とは縁がなくても、いわゆる普通の部活ハンドボーラーだった人の中には「またハンドボールをやりたい」と思っている人は意外とたくさんいます。草野球やフットサルくらい気楽にプレーできる場があれば、ハンドボールがもっと身近になります。

Q.社会人チームの試合の魅力はどんなところにありますか?
A.純粋に楽しいです。いい年の大人が大声を出して、走り回って、倒れ込んだりしていますが、きっと普段の仕事では見せない姿だと思います。数あるスポーツの中で、社会人になってまでハンドボールを続けようという人は、相当ハンドボールが好きな人(変わり者?)です。そんな少数派同士なので、お互い何者か分からなくても、どこか波長の合う方が多いと思います。自分よりも年齢が上の方がいつまでもすごいプレーを続けているのを見ると、自分ももっと頑張ろうという気になります。

Q.最後にハンドボールチャンスのメンバーに一言お願いします。
A.私自身は、全国大会とは全く縁のなかった草の根ハンドボーラーです。同じように、部活だけハンドボールをやってきたごくごく「普通のハンドボーラー」は大勢いると思います。
ハンドボールチャンスを通じて、規模の大小を問わず、いろんなカテゴリーのハンドボールへの携わり方を共有できれば嬉しいです。

~著者より~
社会人クラブチーム『ルーキーズ』。
ハンドボールが好きという共通の情熱が繋がっていく場であり、誰もが楽しみながらハンドボール愛を共有し合える場なのだと感じました。日本代表やJHLなど、トップチームに注目しがちですが、ルーキーズのような特別な敷居がなく、各カテゴリーが集まり、共通の楽しみを持ちながら汗を流せる草ハンドボールは、生涯スポーツの理想ではないでしょうか。
私がルーキーズに注目しているところはいつでも誰でもチームの一員となれ、それぞれの生活に寄り添いながらハンドボールを楽しみ続けていけるという点です。それにしても愛知県在住の加藤さんが福井のチームにも所属しているというのは驚きでした。生涯青春ハンドボーラー。そんな言葉が加藤さんにはピッタリだと感じました。いつかルーキーズの試合観戦が出来きるのを楽しみにしています。
加藤さん、お忙しい中対談くださりありがとうございました。
また、ご覧いただきました皆様、ありがとうございました。

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