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#勝手にパブリックビューイング に行ってきた

このnoteは、ある一人のハンドボールが大好きな女子大生が中心になって開催した「勝手にパブリックビューイング in 愛知」に参加した感想をつらつらと書いたものです。
「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」。芯のある熱意は求心力を生む。そんなことを感じさせてくれた、心温まるイベントでした。

※note内の写真はみゆちょすさん(@miyuchos_)に提供いただきました。


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12月15日、熊本県で開催された女子ハンドボール世界選手権の幕が下りました。30-29でオランダがスペインを下し、満員のスタンドの中で喜びの輪を作りました。

16日間、全96試合で30万人を超える動員を記録し、熊本はハンドボールで大いに盛り上がりました。日本代表は過去最高の10位。準優勝のスペインとも互角の勝負を展開するなど、東京オリンピックに繋がる成果を残すことができたのではないでしょうか。


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さて、熊本が盛り上がっている裏で、実は遠く離れた名古屋でも同じような熱狂と、人との繋がり生まれていました。

発端は一人の女子大生、真帆さん(@maho_muramatsu)から。

大会1ヶ月、僕の知る限りではパブリックビューイング(以下、PV)の情報はなく、熊本に行く以外、多くのファンが集まって同じ時間と感情を共有できる場所はありませんでした。

そんな中、PV開催へ立ち上がった真帆さん。もちろんゼロからのスタートで会場のセッティングやイベント内容の考案、そして集客など…。相当な苦労があったと思います。

彼女のまっすぐな想いは、周囲を動かしました。立ち上げたクラウドファンディングには多くの方が支援を送り、日本リーグに所属する大同特殊鋼も協賛を決めました。SNSでの拡散も含め、一人の女子大生を応援しようと、多くのハンドボールファンが彼女をサポートしました。

そして、第1回目の11月30日。開幕戦の日本 vs アルゼンチンの試合でした。僕は熊本に行って観戦していたのでPVには参加できませんでしたが、盛り上がりはSNSを通して伝わってきました。

「勝手に」とありますが、ちゃんと組織委員会の許可は取ってあります。笑


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第2回目は決勝戦が行われる12月15日。ちょうど14日に広島で仕事があって、元々予約していた「広島→東京」の新幹線のチケットを、「広島→名古屋」に変更しました。


PVは20時スタートで、僕が会場のBAR MEXIGANに到着したのは20時5分。味噌煮込みうどんが思いのほか熱くて遅刻しました。

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お店に入ると、まだ試合前だというのに座るところが見つけにくいほど大勢の人が集まっていました。受付にはnote用の写真を提供してくれたみゆちょすさん。実は、PV前にTwitterで名古屋のワークスペースをみなさんに質問したときに、彼女がカフェを紹介してくれました。

名古屋城を散策したあとに、そのカフェに行ってきました。雰囲気の良い落ち着いた店内に人柄の良い店員さんと、美味しいコーヒー。地元に出店してほしいくらい素敵なカフェで、名古屋に行ったときはまた一服しに行きたいと思います。

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話はPVに戻ります。
僕が来たときには、ゲストの日本リーガー達がトークしていました。

【ゲスト】
藤本純季 選手(トヨタ車体ブレイブキングス)
髙宮 咲 選手(HC名古屋)
河嶋英里 選手(三重バイオレットアイリス)
岩見佳音 選手(三重バイオレットアイリス)
細江みづき 選手(三重バイオレットアイリス)
梶原 晃 監督(三重バイオレットアイリス)
※リンク先はTwitterアカウント

あと一人で試合ができるくらい豪華なメンバーをゲストに迎えたPV。選手たち以外にもハンドボール界隈で活躍されている方々が各地から集まって、見渡せば「見たことある!」という人たちばかりでした。

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靴ひも…笑


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試合が始まると、藤本選手と髙宮選手の解説と選手目線のコメントをBGMに、世界最高峰のプレーに歓声をあげながら、近くの人たち同士で盛り上がっていました。

僕が座ったテーブルには、僕と同じく一人で来たという愛知県の方が。お互いハンドボールをやっていた話や好きな選手の話などを交ぜながら、楽しく観戦することができました。初めて会った人とも楽しく試合を観れることは、PVの良い点ですね。

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16-13でオランダがリードする展開で前半を終えました。ハーフタイムにはゲストの選手たちが「もしもスペイン / オランダの監督だったら」、「両チームの後半のポイント」など、トップレベルで戦う選手ならではのトークや裏話などに、みなさん興味津々で耳を傾けていました。

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中継に映ったおりひめJAPANの選手たちに手を振るみなさん。笑


前半のゲーム展開的にオランダ優勢かな~と思っていましたが、スペインはGKのセーブと精度の高い両ウイングのシュートで波に乗って、1点を争うシーソーゲームに。

世界一を決める試合でこんな接戦が観られるなんて、ハンドボールファンには溜まったもんじゃありません。PV会場も歓声とため息で大盛り上がり。ハイレベルの試合は、それだけでファンにとって良い雰囲気を作ってくれますね。


同点で迎えた残り21秒、スペインの攻撃。得点すればスペインの優勝、攻撃失敗すれば延長戦という場面。もう会場のみなさんはテレビに釘付けで、口があんぐり開いています。

残り8秒でスペインの攻撃が失敗したところで、スペインの選手が痛恨のファウル。レッドカードとともにオランダにペナルティスローが与えられてしまいます。

微妙な判定で、会場も「え?え?」となっていましたが、誰も予想できない劇的な展開でオランダが優勝トロフィーを掲げました。

この判定についてはSNS上でも議論を生んでいましたが、デンマークに留学中の森永くん(@handkoju828)が絵に描いてくれました↓↓

会場からは「延長観たかった~」との声が至るところから聞こえてきました。それだけ白熱した試合を会場のみなさんで共有できたことは、とても素晴らしいことだと感じました。

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試合後は、ゲストのみなさんのプレゼント企画。おりひめJAPANのサイン色紙や大会Tシャツ、ボールやバイオレットのペアチケットなど…。「まだ出てくるか!」ってくらいたくさんのプレゼントが抽選で参加者のみなさんに手渡されていきました。

藤本選手曰く、おりひめJAPANの永田しおり選手(@shiori_kan28)が熊本から速達でグッズを大量に送ってくれたみたいです。笑

ちなみに僕は、トヨタ車体の渡部仁選手(@JinWatanabe20)からのサルミングのリストバンドが当たりました。自分の試合で付けたいと思います。

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PVイベントがお開きになった後は、選手たちがグッズにサインを書いたり握手をしたり、好意的にファンサービスをしていました。藤本選手はもはや自分からサインを書いたり写真を撮ったりしていました。笑

男子はシーズン中だし、女子は来週には日本選手権が始まります。そんな中、PV会場に足を運んでくれて、ファンとしては御の字ですよね。

この選手とファンの近さが、やはりとても素敵だと思います。僕が熊本に行ったときも、海外の選手たちはフランクに写真を撮ってくれました。これからどれだけハンドボールが発展しても、できる限り「近さ」があってほしいですね。


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プレゼント企画が終わると、ゲストのみなさんから一言づつ。そして、今回のPVの発起人である真帆さんから、挨拶がありました。

大好きなハンドボールのためにできることは何か。

彼女の人柄と示してきた行動力からか、言葉一つ一つに重みと説得力がありました。彼女の言葉を聴いていると、何か自分もできるんじゃないかというような勇気がもらえる。そんな気がしました。

真帆さんの挨拶が終わると、彼女を労うように様々なサプライズが用意されていました。

残念ながら会場には来れなかった、さすらいの似顔絵師の一寸木さん(@ko_masu)から、日本代表のユニフォームを着た彼女が描かれた似顔絵のプレゼント。

そして、PV開催にも多くの協力をしてくれた、おりひめJAPANの永田しおり選手からの手紙。

最後に、おりひめJAPANのキャプテンで、彼女が大好きな三重バイオレットアイリス所属の原希美 選手(@6_kzn)からの手紙と、おりひめJAPANの選手たちのサイン入りユニフォーム。


ここまでたくさんの人をTwitterのリンク付きで紹介してきましたが、彼女の想いと行動力に、本当に多くの人が共感して、今回のPVが開催されました。

「やるか、やらないか」に年齢なんて関係なくて、熱意を持って行動し続ければ、周囲が共感して応援してくれる。数字がどうあれ、結果が出ればそれを糧に前へ進める。今回、彼女から学んだことです。

そして、彼女は言いました。

これがゴールじゃない。今度は自分の目で直接試合を観てほしい。会場で会いましょう!

ファンができる一番の貢献は、会場に行くことです。チケット代を払ってチームやリーグにお金を落とすこと、選手のプレーに一喜一憂して会場の雰囲気を作ることです。

チームや選手は競技力を高めると同時に、ファンに足を運んでもらうために様々な取り組みをしていく。リーグや協会が環境を整えていく。それぞれが一歩ずつ進んだ先に市場が生まれて、文化が生まれるのだと、僕は思っています。


まぁそんなこと置いておいて、真帆さんに言われたら直接観に行くしかありませんね。笑

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僕は様々なスポーツ観戦をしてきていますが、実はPVは今回が初めてでした。

自分の目と肌でスポーツを感じることが大好きですが、同じ共通項を持ったはじめましての人とも楽しく観戦できて、知り合えるというのはPVならではの楽しみでした。

たくさんの観戦の仕方があることは素晴らしいことだと思うので、会場に行けないときは、またPVに行ってみたいですね。

また、今回会場で様々な方に声を掛けていただけて、嬉しかったです。おかげで「坂AI説」も徐々に疑いが晴れてきました。笑


参加者のみなさん、ありがとうございました!
そして真帆ちゃん、楽しい時間をありがとう!

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