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こんにちは、大阪大学薬学部1年生の早川玲菜です。

環境が新しくなったとき、みなさんはどれくらいで慣れますか?
私は、4月に大阪大学に入学してはや2ヵ月が経ちますが、未だに慣れていないことがあります。それはドイツ語の授業の課題を「Flipgrid」というアプリで提出することです。

私たち学生は、このアプリで復習のために、学んだことを自分でビデオに撮ってアップします。他の人のビデオも見られるので、発音の確認等に効果的です。しかし、自撮り動画を他の人に見られるのは、正直羞恥心との闘いです。また、このようなことが起きる可能性があるのです。

実家暮らしのRさん談
「いつも通り自分の部屋で復習ビデオを撮影していたんです。すると部屋のドアが開いてお母さんが入ってこようとしていました。しかし、お母さんは娘が自撮りをしているのを見て黙ってそっとドアを閉めました。そして、ドアの向こうでこう呟いたのです。『うちの娘はナルシストだったのか…』と。私は急いで部屋から出て誤解を解きました。その時から家に誰もいない時にビデオを撮ろうと決めました。

いらすと ばれる

では、なぜこのようなアプリを使用するのでしょうか?
私が受講しているドイツ語の授業を担当してくださっている大阪大学サイバーメディアセンターの岩居弘樹教授に聞いてみました。

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ちなみに…先生の授業では主に3つのアプリを使います。
1つ目は、先ほど述べた「Flipgrid」
2つ目は、「ロイロノートスクール」。先生が送った資料がすぐに届き、資料に音声を付けることも可能です。提出も簡単で、同じ授業をとっている友人と資料やメモのやり取りもできます。

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3つ目は「Quizlet」。単語帳みたいなもので、先生が食べ物、数字、趣味等で単語セットを作ってくれていて、発音も聞けます。他にも、筆記の確認やテストもできます。

ーー 先生は、iPadやアプリなどを使った外国語教育の研究をしていらっしゃると聞いたのですが、そのような研究をしようと思ったきっかけはありますか?

昔からコンピューターが好きだったからですね。大学の教員になってしばらくした時にLL教室(カセットテープを使用して外国語を学習するシステム)は古いと思い、コンピューターを利用することを提案したときから研究は始まっています。

ーー 先生が使用しているアプリは、どのようにして見つけていますか?

昔から自分で使っているのもありますし、昔からこのような研究をしていたので同じ分野で研究している友人がいて面白いアプリを教えてくれます。そして実際に使用してみて、面白いアプリは取り込んで…としているうちに使用するアプリは増えていきました。

ーー 先生は文法よりもコミュニケーションに重きを置いているのですか?

まず、”地域言語文化演習”というコミュニケーションを中心に学ぶ授業であるということがあります。それに加え、ある程度先に文の蓄積がないと文法を理解できず、身につきにくいと思うことから、最初にたくさんの表現を覚えてもらおうと思ってコミュニケーションの練習をしています。

ーー アプリを使うことによって、授業の準備が大変になったり楽になったりすることはありますか?

教科書を使わずに、学生の習得度を見て授業内容を調整することは大変かもしれませんが、前年度と同じアプリを使っていると、使い方も熟知していて同じ教材を使えるので楽になっている部分はあります。

ーー アプリなどを普段から使いこなしていると、zoomに慣れるのもすぐでしたか?

以前から小学生に対して「世界の言葉プロジェクト」といった取り組みと、大阪大学の北米拠点にアメリカの大学の教授に来てもらって阪大生に授業をしてもらうという取り組みをzoomを使って行っていたので、以前から使い方を知っていました。また、サイバーメディアセンターでは様々なツールをどのように効果的に使うかを研究していたので、コロナウイルスが流行し始めた時にzoomの研究を始め、3週間くらいでzoomの使い方を説明したホームページを作りました。いろいろな方に見てもらっています。

ーー オンライン授業になってしまいましたが、オンライン授業になって困ったこと、または逆によかったことはありますか?

一人一人に直接指導をすることができなくなったことと、教室だとあるグループへの指導を他のグループも聞こえているので参考にできますが、オンライン授業でグループに分けるとそういったことができなくなるのは大きな欠点だと思います。しかし、オンライン授業では、学生全員が一対一の感じで先生の顔が近く大きく映るので、発音の際に先生も学生も口の形がよく見えることが良い結果を生み出しているのか、授業の進行は例年より早くなっています。

ーー ドイツの方々との交流の機会は、コロナの流行によって増えましたか?

そうですね。Remoを使ってドイツ人との交流を行うのは初めてです。留学が簡単にできなくなったので、Remoで実際に外国の方と話すことで留学体験に近いことができると便利だと思いました。ドイツ語に関わらず他の外国語でも行うといいと思うので広めていきたいと思います。

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Remoとは、参加者が自由にテーブルを移動してそのテーブル内の人とだけビデオ通話ができるウェブ会議システムです。

6月27日にあったドイツの方々との交流会には私も参加してきました!日本から2人、ドイツから2人の4人で話しました。ドイツと日本の伝統文化を教えあったり街を見せてくれたりして、とても面白くて楽しかったです。ドイツ語はほとんどわかりませんでしたが、英語をまじえてなんとか会話をしました。私は人見知りであまり話せなかったのですが、次の機会があったらまた参加したいと思いました!

ーー 授業を通して学生に身に着けてほしいこと、理想像はどのようなものですか?

1番はどのように勉強したらいいのかを学んでほしいです。受験のための勉強ではなく、もっと短い時間で楽しく早くできるような学習のスタイルを自分一人でもできるようになってほしいです。将来自分が新しく言語を学ぶことが必要になった時に、どれだけ必要な情報をとったり伝えたりできるようになるか、というそのやり方を覚えてもらえたらいいなと思っています。学び方を学ぶ、その手助けをするためにアプリ等を使った授業の研究をしています。

おわりに

いかがでしたか?
アプリを使って学び方を学ぶ外国語教育は、誰もがインターネットを利用し、グローバルな社会になった現代にぴったりではないでしょうか。特に楽しく早く学べるところが素晴らしいですね!

最後になりましたが、インタビューを快諾してくださった岩居先生、本当にありがとうございました!


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