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「ポップカルチャーと情報社会」1年目を振り返る

こんにちは。大阪大学 全学教育推進機構 教育学習支援部の村上正行です。

2020年度の大阪大学「学問への扉(ポップカルチャーと情報社会)」が無事終了しました。

私は、2019年に大阪大学に着任して、今年が2年目です。昨年度は1人で担当する授業はなかったので、今回が初めての授業でした。前職の京都外国語大学では半期で6-8コマの授業を担当してきましたし、京都大学や同志社大学などの他大学でも非常勤も経験しているので、授業自体には慣れているのですが、阪大生ってどんな感じだろうか、と思いつつ、授業のデザインをしました。

様子を見ながら調整していこうと思ってはいたのですが、まさかのオンライン授業となり、どうしようかな、と考えました。1回目の授業で17名の受講生に自己紹介をしてもらい、興味を聞いたところで、フェイクニュースやネットメディアに興味のある学生が多いことが分かったので、順番を入れ替えて対応するので大丈夫かな、と考えました。

それで、ジャーナリストの立岩陽一郎さん( @YoiTateiwa )に連絡をしたところ、5月上旬ならいける、ということで、急遽ゲスト講師をお願いしました。これはオンラインならでは、だったかもしれません。

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ゲスト講師は、7月にもCOデザインセンター准教授の八木絵香さんにお願いしました。最初は自分で話そうと思っていたテーマ(科学技術関係)だったのですが、専門家に来てもらったほうが学生にとってもいいな、と思い、仕事をご一緒する機会が増えたので、無理にお願いしました(笑)。

この2人によるゲスト講義が、学生にとって、すごくいい機会になったようです。我ながら、うまくいったな、と自画自賛です。

授業については、もともとグループ議論を取り入れるつもりでしたが、オンライン授業、しかも1年生、ということで、キャンパスに来れないままの大学生活だったこともあり、議論の時間を多めに取るようにしました。説明15分+議論15分(Zoomのブレイクアウトルーム)+全体共有10分、を2回繰り返すような形が多かったです。

人間科学部5名、薬学部1名、基礎工学部5名、外国語学部6名、で4学部まざっていましたし、グループ議論をする中で、文系、理系の議論の展開の仕方がずいぶん違うことが印象的だったようです。理系はロジック、エビデンスベースで話をし、文系は比較的発散する形で議論を展開する、という傾向があったようで、毎回の感想でも、何度か言及がなされていました。文系、理系、でざっくり分けてしまうこと自体はよくないですが、やはり1年生でもディシプリン(専門性)に依っていることがあるのかな、と興味深かったです。

課題は2つ準備しました。1つはグループプレゼンテーションです。本当は中盤で行って、そのプレゼンに基づいて後半の授業を展開させる、というつもりだったのですが、オンライン授業になって難しくなったので、最後にもってきました。テーマも興味深く、さすがよく調べていました。ちょっと一貫性が弱いところもあったのが課題(グループプレゼンで一番問題になるところ)ですが、今回の状況ではちょっと難しかったかな、と思いました

「学習とメディア・コンテンツ」
「現代社会における情報リテラシー サブスクリプションなど」
「フェイクニュース・既存メディアとネットメディア」
「インフルエンサーマーケティング ー人・媒体・全体を見る」

もう1つの課題は、このnoteで展開した、阪大教員へのインタビュー取材によるネット記事、です。これは、京都外大の授業や昨年度の「学問への扉(大学教員という仕事)」の経験にそって設定しました。ネットメディアの紹介をして、インタビューの手法について説明をして、自分で教員を探して、インタビューを行ってもらいました。下書き提出してもらった記事を添削するつもりだったのですが、ほとんど添削する必要もなかったことにびっくりしました。ものすごいポテンシャルだな、と。阪大生のすごさを体感しました。

twitterやFacebookで広報していたのですが、広報課の職員に見つけていただき、”マイハンダイアプリ”の”まちかねっ!”で掲載していただくことになりました。2020年8月3日~16日に「アプリdeオープンキャンパス」を開催しており、受験生をターゲットに一般公開したので、そのコンテンツの1つにしていただきました。大変ありがたいことです。


このインタビューは、学生にも大変好評だったようで、ぜひ続けてほしい、という意見を多数もらいました。ぜひ来年以降もやっていきたいな、と思います。なぜ”このインタビュー記事を書いてもらうのか”ということについては、狙いがあるのですが、ここでは内緒にしておきます(笑)。

授業が終わった時には、学生に助けてもらったなぁ、と思うことが多いのですが、今回は特にそう思いました。初めての時、って、どうしても手探りになるので、ついつい心配してしまうのですが、その方が学生にとってなんか面白いことも多いみたいですね。

来年度も、この授業をパワーアップして、できるようにしたいと思います。

17名の受講生のみなさん、ありがとうございました。みなさんと授業ができて、楽しかったです。



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