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【Paper】100 nmの”ずれ”が共鳴のスイッチに!Tang,..., Li, Takahara & Chu , Nature Communications 2023.

大阪大学大学院工学研究科物理学系専攻応用物理学コースの高原淳一教授らの研究グループは、国立台湾大学Shi-Wei Chu教授および済南大学Xiangping Li教授と共同で、単結晶シリコンで作られたナノ共振器構造において高次のミー共鳴を発生させるための新たな条件を発見しました。

これまでの理論では、ミー共鳴の共鳴モードは、主にナノ構造のサイズと入射光の波長の関係のみによって決定されてしまい、他の方法でコントロールすることは難しいと考えられていました。今回、高原教授らの研究グループは、シリコンナノ構造を強く集光されたレーザー光を使って照明した場合、照明位置を対象のナノ構造の中心に対して100ナノメートルほど「ずれ(変位)」させると高次のミー共鳴を発生できることを明らかにしました。本研究は、光と物質の相互作用に関する基本的な理論を拡張させるとともに、低消費電力での全光スイッチングデバイスや光アンテナなどのフォトニックデバイス分野への応用が期待されます。

本研究成果は、2023年11月8日(日本時間)に米国科学誌「Nature Communications」(オンライン)に掲載されました。

タイトル:“Multipole engineering by displacement resonance: a new degree of freedom of Mie resonance”
著者名:Yu-Lung Tang, Te-Hsin Yen, Kentaro Nishida, Chien-Hsuan Li, Yu-Chieh Chen, Tianyue Zhang, Chi-Kang Pai, Kuo-Ping Chen, Xiangping Li, Junichi Takahara & Shi-Wei Chu
DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-023-43063-y

上記の論文は無料で閲覧することが可能です。


より詳細な内容は、大阪大学のプレスリリースで詳細を見ることができます。

ナノエレクトロニクス領域 高原淳一教授の研究室HP

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