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【若手成果】長時間・大面積の超解像ラマンイメージング法を開発!【フォトニクス×電子デバイス】

【概要】

森山季(大学院生(当時))&馬越貴之講師&Prabhat Verma 教授(大阪大学・応用物理)、および加藤遼特任助教&矢野隆章教授(徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所)らの研究グループは、従来法に比べ 12 倍以上長い時間の測定が可能な超解像ラマンイメージング顕微鏡を開発しました。

ラマン分光法は、分子の指紋とも言われる分子振動情報を反映するラマン散乱光を計測することで、試料内の分子の種類や状態の空間分布を可視化する方法です。
その中でも超解像ラマン顕微鏡(TERS)は、分子の種類や状態を1分子レベルで同定できるため、様々な分野への応用が期待されています。

しかしながら、従来の TERS 顕微鏡は、顕微鏡固有の信号の揺らぎ(温度変化などによる熱ドリフトなど)の影響により測定時間が 30 分程度に制限されるため、観察可能な物質や測定範囲が限られていました。

そこで本論文では、「ドリフトのリアルタイム補正機構を新たに開発」し、従来法と比べて 12 倍以上の安定化を達成しました。
本顕微鏡により電子デバイスに応用される二硫化タングステン(WS2)の大きなシートの中から(4,000,000 nm2以上)、微細なナノ欠陥の同定に成功しました。

今後は、トランジスタに利用される多彩な材料評価や、タンパク質などの生体分子を短時間で観察が必要となる方法に応用を考えています。

【発表先】
本成果は、『 Science Advances 』にオンライン掲載されました。
※オープンアクセスなので、学生の皆様も読むことが可能です。

【問い合わせ先等】
研究室HP個人HPも是非ご覧ください。
問い合わせはこちらまで。