なやみ

差別はいけないと思って憤慨した直後に芽生える差別意識について、自分はなんて冷たい人間なのだと毎度ひどく悩んでしまう。

既得権益にしがみつくなと思ったそのすぐあとに、自分のいる場所だけは穏やかに守りたいと思う。なんで自分は卑怯なのだと落ち込む。

わたしはどうしてもっと穏やかになれないんだろうか。

経験が足りない知見が足りないのだと、本を漁って読んで補完しようとするも、世の中がただただ広く深く長く
ページを繰るたびに叫びたくなる気持ちをおさえて自分自身に彷徨うばかり。

あと22ページ、また一冊読み終わる。

また一つの世界を知ってまた無知になる。

わたしは何も知らない、だから優しくなれない。

優しく。

雨の音、夫のいびき、子どもの寝息。

優しい気持ちはここにある

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