ヤンキーだった兄に、なぜヤンキーだったのかを聞いた。

うちの兄(次男)、もうアラフォーですが、中学校の時はヤンキーだったんですね。ピンクの頭をしているときもあったし、卒業式はゴリゴリの短ランだったし。私は何でこのひと(たち)はヤンキーやってるのかわからなかったんですよ。それでよくインタビューをしています。事件のことも含めて。なんで起きてしまうのか、私の頭ではどうしても理解できなくて。

今回の帰省でまた少しヤンキー時代の会話ができたので、メモ代わりに記しておきます。


私:世の中、ヤンキーとか不良とか、そういう若者に対しては、「家庭環境がよくない」「家族との関係性が」とかっていうじゃん?うちの家で言えば、兄が喧嘩し始めたあたり、ちょうどお父さんが単身赴任してたよね。

兄:あー――そういうのはまったくないね。ただカッコいいから喧嘩してた。

私:お母さんがさ、兄の体力の消耗先というか発散先としてボクシングやらせたり、あと兄がすぐどっか行っちゃうからピッチ持たせてたりしたじゃん。でも結局喧嘩するから、周りの母さんたちに「アオキさんちが兄くんにピッチ持たせるから悪いつながりができて迷惑かかってる」っていわれてたわけじゃん。頭下げてた。それについてはどう思ってた?

兄:申し訳ないなとは思ってたけど、正直そこまで深刻には考えられてなかったわ。どっちかっていうと、俺つええええかっけえええええっていう方が大きかった。俺の取り巻きにも俺とあんまいっしょにいない方がいいよって言ってたし。

私:いやそれは引くわ。あとはやっぱ正直、長男と妹がめっちゃデキたわけじゃないですか。勉強も運動も、総合力として。兄は勉強苦手で、長男・妹が優秀だったその反動なんじゃないかっていってた人もけっこういるよね。実際、●●(先生)に比べられたりしたよね。

兄:それもな、まったく反動みたいなもんはないんだよね。そもそも俺がいちばん、アイムナンバーワンと思ってたし。長男がまだ学校にいる間、「○○(長男)の弟だ~」とかって言われるのはうぜえなとは思っていたけど。

私:なるほど。たしかにアオキ家では勉強ができるよりも運動ができるほうが評価高かったしね。

兄:そう。

私:でも私は運動でも県大会とかでも上位で選抜されたりとか。

兄:ああ、その辺はどうでもよかったな。

私:なるほど、兄にとって喧嘩はスポーツといっしょだ。スポーツは強いと褒められるけど、喧嘩は忌み嫌われるから大変だね。オリンピックでもそうだけどさ、競技になっちまえば勝ちみたいなところあるよね。ボクシングと喧嘩はまた違うんだろうし。

兄:そうね。でもさ、長男の時代、学校が平和だったじゃん。それでけっこう不利だったな、あ~いろいろ思い出してきた。

私:不利とは?

兄:「○○中?は?」てやっぱなるの。これ、上に喧嘩強い人がいれば、「▲▲さんのところか」って話が早かったりするんだけどさ。例えば俺も昔のツレから電話来て、「いま○○中のガキ締めてんだけど、お前の後輩?」って言われて、「あー迷惑かけてすまんな、いまから行くわ」ってバーッて行って、後輩を一発ずつぶん殴ってこれでごめんやでってするのよ。「お前も丸くなったな」とか言われたり。

私:うわ、それいつの話?

兄:俺が高三とか。

私:高三でそんなんやってんだ。引くわ。

兄:しょっちゅうじゃないよ、たまーーーーに。

私:みんなその頃は受験勉強してんのよ。

兄:(笑)。

私:そういえばうちの旦那も、高校入って割とすぐに1個上の怖い人たちに呼ばれていって、ああもう死ぬわと思ったら、一番怖い顔の人に「オマエ、○○のツレか」って言われて、「そうです…」って言ったら「ああ、じゃあいいや。みんなわりぃな、こいつもういいや。」って解放されたって言ってた。

兄:そうそう、そういうことがあるの。

私:とにかく、なんかのコンプレックスがあってそれを喧嘩で解消してたとかはないんだ。まあこれ何回も聞いてるけどね。毎回同じ回答だからほんとにそうなんだろうね。

兄:そうだな。

(おしまい)


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