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ブライズパイからウェディングケーキまで。花嫁を魅了し続けるケーキの歴史

ウェディングパーティーでもっともゲストの注目を集めるアイテムの一つ「ウェディングケーキ」。新郎新婦の個性を表すものとして、こだわりを見せる方も多いのではないでしょうか。そんなウェディングケーキの起源は意外にも古代ローマまで遡ります。

そこで今回は、披露宴に欠かせないウェディングケーキの歴史を紐解いていきましょう。

起源は古代ローマの風習から

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ウェディングケーキの起源は古代ローマの結婚式で使われていた“パン”だと言われています。彼らは小麦や大麦でできたパンを幸運と繁栄を祈り、新婦の頭の上で割ることで結婚の儀式を終えていました。

新郎と新婦は夫婦初めて共に行う営みとして、一緒にそのパンのかけらを食べたのだとか。パンの残りは”幸運のおすそ分け”として、ゲストが拾って持ち帰ったと言います。

結婚式に欠かせないものへと

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中世イギリスでは、現在日本でも人気のウェディングケーキの一つ、“クロカンブッシュ”の元となるものも生まれました。それは、スパイス入りの小さなパンをできる限り高く積み上げ、その上で新郎新婦がキスをするというもの。

しかし、私たちが想像するような“結婚式のために作られる”特別なお菓子が登場するのは17世紀に入ってからでした。

17世紀に入ると“ブライズ・パイ(花嫁のパイ)”というレシピが人気となります。その後、しばらくは結婚式でふるまわれるのはもっぱらパイでした。

婚礼用のケーキとして初めてレシピが紹介されたのは、18世紀。“ブライド・ケーキ”という名の、砂糖漬けの果物の皮をたっぷりと使ったフルーツケーキだったと言います。フルーツケーキは時間と共に成熟することから豊穣と繁栄を表すとして、人気を集めていきました。

世界に衝撃を与えたウェディングケーキ

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その後、19世紀になり白砂糖が手に入りやすくなると、真っ白なアイシングで飾られたウェディングケーキは富と権威の象徴となっていきます。中でも豪華で繊細な飾りが施されたケーキを結婚式の定番と位置付けたのは、1840年のヴィクトリア女王のウェディングケーキ。

巨大なフルーツケーキの外周はなんと2.7メートル、重さは136kgもあったのだとか。このケーキが世界に与えた衝撃はとても大きく、その後白いアイシングのことは“ロイヤルアイシング”と呼ばれるようになりました。

ケーキの高さはシロクマと同じ

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彼女の娘の結婚式では、さらに豪華なケーキが披露されます。それまで1段だったケーキを3段に積み重ねたウェディングケーキは、当時週間新聞に挿絵入りの記事が乗ったことで、世の女性達の心を鷲掴みにしました。

2.1mもの高さがありましたが、実際に食べられるのは1段目のみ。その他の豪華な装飾は、すべて砂糖でできていました。

一般に広まったのは20世紀以降

その後、しばらくは裕福な人々のものだけだった真っ白なウェディングケーキが、一般階級にまで広がっていったのは20世紀に入ってから。ケーキの材料が安価になり手に入りやくすなったことで、ウェディングパーティーに欠かせない存在となっていきました。

最近ではさらに伝統や形にこだわらないユニークなケーキも増えていますが、幸せな結婚を象徴するアイテムとして変わらずウェディングを彩り続けています。

古代ローマから形を変えながらも続く、ウェディングケーキの歴史。遠い昔から花嫁たちはいろいろな思いを馳せながら、この特別なケーキと向き合ってきました。あなたのウェディングパーティーで振る舞われるウェディングケーキも、その歴史の1ページを紡いでいくことでしょう。

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