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【警察エッセイ】留置の掟

ハイどうもぉ。
皆さんの心の中のモード系男子。
元警察官の花山烏一はなやまけいいちです。

皆さん、ファッションに興味はありますかい?

『自分はUNIQLOの服しか着ねぇ!』とか『やっぱりブランド物が良いんだよねぇ〜。』と思われる方など、ファッションには様々な形があるよね。中には、本当に着れれば何でも良いと思ってる方もいるかと思う。

花山も高校生になるくらいまでは、本当に何でも良いやと思ってる人間で、自分で服を買いに行った事が1回も無くて、母親が買ってきた服を何の疑問も持たずに着てたりしてたんよね。

大学生になってからはさすがに母親チョイスは卒業せなあかんなと思って、自分で服を買いに行く様になったけども、金の無ぇ大学生で選べる服なんて限られていたから、ファッションを楽しむという考えは皆無だったね。

ファッションセンスが開花したのは社会人になってから。

実家を出て一人で生きていく様になって、ついでにお金も持つ様になって、そんでもって、兎にも角にも『モテたい』と思ったから、都会のデパートまで赴いて、ブイブイいわすようになったんよ。まぁ、何を着ようが全然モテなかったんだけどね。

花山は元々警察官を生業にしていたんだけど、警察官にしてはモード系なファッションをしていて、これは花山の偏見なんだけど、警察官って中学生みたいなファッションをしている人が多くて、それ自体は何も悪くはないんだけど、花山のファッションと乖離していて警察官で集まると花山のファッションは浮いていたんよ。

そこからファッションを磨くより自分自身を磨く方がモテるんやなと思って方向転換した結果、彼女が出来たりしたから、努力は正しい向きでやらなあかんなと思ったね。

とまぁ、警察とファッションというテーマで書き続けているけども、皆さんにお聞きしたい事が一つあるのね。

逮捕された人間が連行される時の服装ってどんなのを想像する?

上下グレーのスウェットを想像した方が多いんじゃないかな?

アレはたまたまじゃなくて、実はちゃんと理由があるんよ。

■留置の掟

ちょっと専門的なハナシになるけども、警察では犯罪を犯した人を『被疑者と呼び、その中でも逮捕して留置所収容される人を『留置人』と呼ぶのね。

留置人は逮捕されてから48時間以内に検察庁に送致されるんよ。著名人や社会的反響の大きい犯罪を犯した人が、検察庁に送致されている時の映像をニュース番組とかで見た事があるかと思う。

その時の服装って何故だか、上下グレーのスウェットである時が多いと思わない?

コレは留置所のルールや都合が絡み合って生まれるモノなんよ。

留置所のルールとして、留置所内で着れる服と着れない服とで分かれるのね。都道府県警ごとに違いがあったりすると思うから、一概にこうだとは言えないけど、ザックリいうとヒモ状に出来る形状の服は留置所内では着れないのね。理由は単純で首吊りを防止する為。

そもそものハナシではあるんだけど、捕まる時に準備万端で捕まるなんて事は普通に考えて無いんよね。たまに、極道系の人は自首という形で旅行感覚で留置所に来る人もいるけど、ほとんどの場合は当たり前だけど急に捕まって急に留置されるのよ。

そういった点から、留置所側は大小様々な予備の服を用意しているのね。その時に上下グレーのスウェットを用意する事が多いんだけど、コレにもちゃんと理由があるのよ。

犯罪を犯した結果、捕まって留置所にやって来た被疑者だとしても本人が着ている服は本人の物。だから、留置所では最初に本人の持ち物を細かくリスト化して書類に残すんだけど、基本的に本人の服だけじゃ足りないから、留置所側から何着か服を貸し出すのね。

留置人が留置所から出る時に本人の荷物は全て返却するから、その時に本人の服と留置所の服を区別する為に留置所の服には分かりやすく『留』だったり『官』みたいな字をデッカく書いたりするんよ。

『留』は留置所の略で『官』は官服の略だったと思う。

■グレーのスウェットが選ばれる理由

黒系の色の服だと字を書いても分からないんよね。だったら、タグに書けばいいじゃないかと思うかもしれんけど、タグなんてずっと着ていたら、切れたり、肌に直接触れてるから、すぐに書いた字が薄くなったりするんよね。

そういう事なら白色とか黒の字が分かりやすい服にすればいいじゃんと思ったそこのアナタ。

使うのは留置所なんよ。

毎日洗濯なんてしないし、毎日の様に着る物だから、あっという間に汚れていくんよ。しかも貸し出しの服なんて、よっぽどボロボロにならない限り捨てないから、何年も変わる変わる留置人に使わせ続けるのよ。

コレらの要素を全てひっくるめると、グレーのスウェットが一番無難なんよね。だから、留置人が検察庁に送致される時の服装はグレーのスウェットな時が多いんよ。

■まとめ

花山がなんで、そんなニッチな留置所事情について知っているのかというと、警察官時代に留置所での勤務経験があるから。

実際に留置所で勤務してた時にはグレーのスウェットを何回も貸し出していたし、予備服が足りなくなった時はグレーのスウェットを買い足していたりもしたのね。

中には、絶対に着たくないと言って拒否する人もいたけど、ほとんどは言われるがままに着ていたね。

スウェットを選んでいた理由も、留置所って室内の細かい温度調整が難しくて、留置されている部屋によって暑かったり寒かったりしていたから、花山が働いていた留置所では半袖のシャツと長袖のスウェットを両方貸す事になってたんよ。

今は冷静に当時の事を思い出せるけども、働いていた時は『つべこべ言わずに言う事聞け!』って荒ぶってたね。

今回は以上となります。
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