31| 結び目を解いてゆく:雨水
土脈
朝の光。薄い空のあお。
降る雪は雨水にかわり、山の雪氷は溶け出す頃。
あたらしく生まれ変わる細胞と、ゆきばをなくし澱む、旧くなった細胞。
でも、滞留をひと息に押し流す雪解けの水に、この冬は多くめぐまれている。
土脈がここから、きらきらとひかるために。
岡崎に居を移して一週間。
裏千家茶道の業躰先生とのご縁をいただく。再始動。
誰にも解けないほど固く。かた結びされた結び目を、手元でやわらかく解く。
解くことは、ひとりでは為されないことを、わたしたちは知っている