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31| 結び目を解いてゆく:雨水
土脈
朝の光。薄い空のあお。
降る雪は雨水にかわり、山の雪氷は溶け出す頃。
あたらしく生まれ変わる細胞と、ゆきばをなくし澱む、旧くなった細胞。
でも、滞留をひと息に押し流す雪解けの水に、この冬は多くめぐまれている。
土脈がここから、きらきらとひかるために。
岡崎に居を移して一週間。
裏千家茶道の業躰先生とのご縁をいただく。再始動。
誰にも解けないほど固く。かた結びされた結び目を、手元でやわらかく解く。
解くことは、ひとりでは為されないことを、わたしたちは知っている。
だから、ときにこすり合いながら、ときに触れることもなく、共に結び目を解いてゆく。ふたたび、流れだすことができるように。
次の瞬間の景色の創造のために、次々と送られる波。その全容の描かれる、勢いよく撥ね飛び散る筆致をこの一瞬に感じとり、そのものとして進む。
ゆたかに溢れ、暴れかえる中心に、今この瞬間の存在のすべてを。
解くことは、またあらたに結ぶこととひとしく
溶くことは、またあらたに結合することとひとしく
甲殻を打ち砕くことは、またその内に豊かに溢れることとひとしい
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空のあおは濃くかわり、あおくひかる春を、瑞々しく迎えています。
“Turn our world around “ (Torio Ohashi feat.Emi Meyer)
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