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思いもよらない香りを纏って 届いた言葉 柔らかい棘の刺さった よそよそしさ 私が 思いもよらなかったから あなたに 言わせてしまった最後の言葉 一瞬で 氷が張り詰めたあの部屋で 私が最後に聞いたのは あなたの涙の落ちた音
切り立った言葉の振動に 心の揺れは際立ち 微かな声さえ詰まりそうになる あなたが放った揺れ間から 風が運んできたのは涙粒 先に泣いていたのはあなたのほう 止めた涙でぐらつきながら 私は伸ばす手に想いを込める まだ吹く風はつめたくない まだ届く涙はつめたくない まだ二人は大丈夫 強く暖かく手を伸ばす