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恋模様

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恋模様 儚さ
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2023年5月の記事一覧

【詩】一緒に歩く

もどかしい雲が居座って あなたの笑顔が あなたの声が 遠くなる 払ってみても 私だけでは動かない 立ち込める不安なら 私だけでは消せはしない こんな時は手を繋ぎませんか もっと一緒に歩きませんか 雲が晴れるその場所まで

【詩】ひとり

雨音が 雫を連れて舞っている 今日が濡れている しっとりとした霧の中 心だけがカラカラと 泣いても泣いても カラカラと 渇きの音が鳴っている あなたがいなくなって 初めて気づく 一人ぼっちの音

【詩】いたずら

わがままに風が笑っては 髪を乱して過ぎて行く 目には見えない悪戯小僧 風の気まぐれ あなたの気まぐれ 甘い色を灯しては 素知らぬ顔で吹き消して 私の心を揺らすばかり いたずら退治に忙しいのに 心がなぜか賑わって いつしか軽くなっていた 風のような人でした

【詩】吹く風を

風が吹いたから 微かに揺れた空気を吸って そっと動き出す心の時間 少し前を向ける私の時間 ささやかだったり 賑やかだったり 暖かかったり 慎ましかったり 私の中に舞い込むものは あなたの言葉の調べだけ でも もっと欲しいと願うには あなたはもう遠すぎて 思い出したように吹く風を 心焦がして待ちわびる