マガジンのカバー画像

恋模様

47
恋模様 儚さ
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

【詩】また一歩

日々の中 折り重なり 重くなる そんな心と歩くには やわらかな空  好きな服 そして 私だけのあなたの言葉 ふわっと心に入っては 暖かく舞い上がり 心をゆっくり軽くする 栄養補給でまた一歩

【詩】手放せないまま

迎える春の賑わいを 咲きほこる花詠みを 隣で一緒に過ごせていたなら 春にもたれかかっては 夢語り 背中を思い出しては 昔語り 想いを残した心には 春の日差しはやさしすぎて まだ 手放せないままに

【詩】あの夜

触れた言葉の指先が 纏う凍えた切なさを 握ってしまったあの夜を 動き出した感情の 響くやさしい か弱さを 愛しいと思ったあの夜を 後から奪うくらいなら 与えなければいいものを いつの日にか手に取って 眺めることができたなら 悲しいだけではない意味を 見つけることができるでしょうか

【詩】空の向こう側

雲一つない青色に 空の向こうが見えそうで 背伸びをして目を凝らす 思い出ならばあなた色 明日ならば一人色 どちらも見たいと 欲張りが手を伸ばす もう届かない まだ届かない どちらも見たくないと 弱虫が下を向く 空はただ微笑んでいる

【詩】手

そっと寄り添う陽の光 差し出された手の平の 気恥ずかしさを照らし出す やさしさに戸惑う 私の手 やさしさを遠慮する 私の心 行ったり来たりを見透かして 握ればそれでいいんだよ 大きな笑顔が待っていた

【詩】夢の跡

色とりどりの喧噪が 数多沸き立つ空間で たった一つ 心に届いたあなたの声に そっと寄り添う夢を見た 届く言葉の 人恋しい切なさに そっと甘える夢を見た 差し出す手の 温もりの誠さに そっと安らぐ夢を見た 夢と知って夢を見た 覚めると知って夢を見た 今どうしていますか

【詩】便り

来るはずのない便りが 懐かしい香りを纏って 舞い込んだ朝 涙は流れるに任せ あなたの文字を心で辿る 変わらぬ温もりが 散りばめられて 春より春を連れてくる もういない あの頃の二人を 抱きしめて あなたがくれた この春を 出会った場所で 今は一人で迎えましょう 涙の色も そろそろ春に染まる頃

【詩】楽になれたら

狭い部屋に漂う切なさを そっと風に流せたら そっと空に渡せたら 少しは涙が楽になる 想いも時間に流せたら 思い出もあなたに返せたら 少しは心が楽になる きっと今頃 あなたも同じ それくらいはまだ分かる

【詩】施錠

滲む儚さを持て余し 行く宛を失くした感情は ただひたひたと 涙に注ぐ 贖罪も 慕情も未練も抱きしめて 見送るは 重ねたあまたの時間達 少し揺れてる肩越しに 浮かんで消えた 望んだ未来の暮れ行く姿 もう少しだけ・・・ 私がこの扉を閉じるから 鍵を掛けるのはあなたの役目

【詩】誰かさん

お元気ですか 春が覗いています 失くしたのか 初めから無かったのか そんな存在のない存在が 今でも心に住んでます もう届かない欠片を 紡いでは もう届かない想いを 繋いでいる 今も言葉の世界の住人です あなたはもう 詠んではいませんか またどこかで言葉が 出会えばいいですね