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夕暮れ~夜

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夕暮れ~夜 思いにふける
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2023年1月の記事一覧

【詩】あなた色

寒い夜道を歩いていたら すーっと, 心に間が出来て 誰かの色に染められたいと思った 誰かは誰かで 誰でもではない 見当はつくけれど あの人にとったら見当違い 寒い夜道を一人で歩く

【詩】風が

吹く風が きらきらとさらっていく 胸を押さえるけれど 染み渡る夕暮れに 灯る茜色 戻らぬ日々が溢れ出る 吹く風が それをきらきらとさらっていく もう増えない思い出を さらっていく

【詩】月の跡

待つ夜に 残るは 消えゆく 月の跡 軋む心に流れるは 今では雫となった笑い声 舞うリズムに弾んだ言葉も 過ぎた夜更けの露となり あの日の月は もう昇らない それでも夜はやってくる 約束の時間 今でも 見えない月を見る

【詩】背中

透明が滲み出す強がりの中 佇む背中が一人だった 触れようとした心のほころびは まだ遠く  真綿で包むまで 涙は誰かがいれば 冷たいだけじゃないことを 夜は誰かがいれば 寒いだけじゃないことを そっとランプに灯して

【詩】甘い香り

裏返した手のひらに 射した夕陽のぬくもりを 握って仕舞うポケットに 一人の夜に そっと取り出す残り陽は あなたの香りに似た甘さ きっともうすぐ忘れていく その時はまた美しい夕陽に会いに行こう

【詩】夜道

隠れた月の儚い夜道を 自分を握りながら 一歩ずつ それ以上の連なりは 闇の淵への落とし穴 知ってか知らずか 顔を出す月に 明るい夜道のまぼろしに 自分を叱咤し 一歩ずつ