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私 心の内
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#ポエム

【詩】わたしとわたし

いつか触れることを 一輪の花に願いながら 届かないまま枯れ落ちぬよう 夢を見る 足らない何かを望む前に 奥深く閉じ込めた 心を忘れてしまった影を それも私だと 共に行くしかないのだと そこから新たな今日を見る 届くことを願いながら

【詩】晴れ

深呼吸 吸い込む陽射しの明るさは 心の焦燥を 生み出す私を捉えては 僅かであっても あたためる 曇りも雨も雪の日も 自分らしく在りたいと 光を求め もがく私をなだめては また訪れる 晴れを乞う

【詩】今日と明日と

窮屈な心の生き場所は あきらめに似た笑い顔 作り笑いと本物を 見分ける涙の分量は その日砕けた私の欠片 欠片と涙が巡り合う また今日を繰り返す いつか明日が来るように

【詩】つま先

ふっと冷たくなる瞬間 焦がれる世界に つま先が向く つまづく覚悟もないままに 見送り見送り 流れゆく景色に酔いながら また冷たくなる瞬間を待つ つま先が動くまで 背伸びをして立ち尽くす