私とモネと、溺れる睡蓮
美術の勉強をしていた、と話すと、9割9分くらいの確率で「どんな絵を描くんですか」と訊かれる。私は、絵を描くのではないんですよ、美術史といって歴史の中で作品を解釈する研究をしていたんです、描くほうはさっぱりわかりません、と説明する。
そこからの会話はだいたい二分化される。作品評価に関心を持つ人と、私個人の好みやおすすめを尋ねる人である。前者は「どういう作品に高値がつくのか」というお金の話をしてくるタイプで、これに関してはむしろ私が教えてほしい。アート市場の本はどうも眠くなって