「情の時代」を生きる
エーリッヒ・フロム『愛するということ』を読み終えたとき、人生で何度も読み返したい本がまた一冊できたことをとても幸せに思った。愛の問題とは愛の対象の問題ではなく愛の技術の問題なのだというフロムの哲学は、これからの私の人生において間違いなく助けになるだろう。
奇しくも、あいちトリエンナーレ2019のテーマが「情の時代」である。数日のうちに有識者による多くの見解が飛び交っているので、美術好きに毛が生えた程度の研究者の卵(しかも割れた)でしかなかった私が改めてこのことについて言及す