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限界同人作家にならないで

初の同人誌制作で一時期人間の生活を失ったので、もう2度と同じ目に遭わないよう、備忘録と啓蒙を兼ねてこの記事を作成しました。

書いてあること
・スケジュール管理が終わってる人の末路
・めんどくさがり用スケジュール管理法
・同人誌作りの基本的な流れ

この記事が参考になりそうな人
・めんどくさがりだけど同人誌(漫画)作りたい人

みんな、私みたいになるな‼️‼️‼️


1. プランは完璧だった


最終的にスケジュール管理がド下手すぎた結果、2/24〜3/10の土日は両日徹夜、締切直前の3/12と3/13は二徹して出勤し、職場で気絶ヘドバンをする事態に陥りました😅

原稿中の私のツイートを抜粋⇩

終わっとる。

ですが、当初の予定は余裕を持ったスケジュールを組んでおり、決して無謀なものではありません。

Excelで作った全体スケジュール

11月半ばから予定を組み始めており、12/28には春コミのサークル申し込みを済ませました。
そして、12月中にはサークルカットを出す。原稿を進め、2/25には早割を利用して同人誌を作り終える……
その後の余裕がある期間でお品書き、アンケート、ゆっくり設営用品を見て回る……

1日の振り返り用のシート

これなら早期入稿ができる!というプラン です。
しかし、サークルカット制作に約2ヶ月かけるというとんでもない事態に陥り、原稿制作は修羅の道と化しました。

ここで最終的な制作時間配分を発表します。

制作時間配分(本文20P漫画)

サークルカット➡️約2ヶ月(11月半ば〜1月終わり)
原稿のプロット➡️1週間(2月初週)
ネーム➡️10日
下書き➡️約2週間
ペン入れ➡️10日(3/3〜3/13)
※ネーム、下書きは並行してやっていたのでよくわからない。

なぜサークルカットにこんなに時間がかかったかと言うと、理由は主に2つ。
①自分への期待値が高すぎて永遠に修正をしていた
②スケジュール配分を念頭において制作しなかった

結局時間がないから切り上げなければならず、後の工程も同じように進んで行きました。

①の理想が高くて終わらないという状況は、時間が差し迫っているため、強制的に切り上げる。という方法で回避することができます。

しかし問題は②の方で……
今回、修羅場原稿となってしまった理由はこちらが大部分を占めています。

2.スケジュール管理に失敗した理由


これはもう明確で、なぜなら、
Excelで作ったスケジュール管理表を途中から見なくなったから

Excelを起動するまでの工程が多過ぎて私が嫌になってしまったのです。その結果、残りの日数と進捗具合のすり合わせが不透明になり……
修羅場原稿デスマーチが始まったわけです……

〜Excel起動までの工程〜
PCを立ち上げる
⬇️
起動するまで待つ
⬇️
パスワードを打つ
⬇️
Excelを立ち上げる
⬇️
開くまで待つ

短時間ではありますが、何日もやっていると怠惰な私には億劫になってしまいました。
スマホメインで生活しているので、PCメインでスケジュール管理をするのが習慣化しにくかった原因の一つでもあります。

※冷静に考えるとそりゃスケジュール管理失敗するよね……という内容ですが、追い詰められた人間の視野は狭くなるということがお分かりいただけるかと思います……

そして2月に入り、当初の締切である2/25が急速に迫っていたある日、ようやく自分にExcelは合っていないことに気が付き、別のスケジュール管理方法を模索しました。

この時点で分かっていたのは、
①危機感を覚えないと原稿が進まない
②目に付く場所、すぐアクセスできる形式でなければ把握が難しい

上記の2点でした。そこで見つけたのがこのアプリ。

~めんどくさがり用スケジュール管理ツール~

①記念日

ホーム画面に表示できるので目につく

予定の名前(例:原稿〆切 など)と予定の日付を設定するだけで、残りの日数を表示してくれるアプリです。

危機感が刺激され、もう日にちが無いからある程度の基準まで達したら次の工程に移る!という意識が身につき、作業スピードが爆速になりました!

しかし、これだけでは〆切から逆算して考えたときに、1ページを何時間で終わらせる必要があるのかが分からず、工程ごとのスピード感の把握ができません。

そこで見つけたのがこのサイト

②同人手帳

サイトの流れに沿って入力すれば、
パッと見で工程ごとの時間配分が分かる

このサイトはとても親切で、〆切日や開始日等を聞いてくれるので、ただ入力していくだけでスケジュールを作ることができます!

上の例のとおり、普通にやっていたら終わらないよ!というスケジュールの時は予定の〇倍がんばりましょう、という表示が出るので、予定の見直しが簡単です。素晴らしい。

スケジュールを記録し、いつでも見直せるようにできる機能もあり、サイトのページをブックマークしてスマホのホーム画面に設定すれば、すぐにアクセスできます。

原稿中の私はスケジュール管理にこのサイトを使った、というよりも、このペースで終わるのかどうか?という時間の猶予を確認するために使っていました。

進捗入力機能がとても便利!!!

しかし、進捗管理の度にサイトにアクセスする必要がありますので、私のようなめんどくさがりはやる気のある最初の内だけ入力して、後からやらなくなる可能性大です。

そこで考えたのが、記念日とリマインダー、同人手帳を組み合わせたスケジュール管理方法です。

~めんどくさがり用スケジュール管理方法~

流れは以下のとおり。

①同人手帳でスケジュールを設定する
⬇️
②記念日に各工程ごとの締切日を登録する
⬇️
③毎日同人手帳に進捗入力をするために、サイトのリンクを付けて寝る前にリマインダーをバナー表示させる

記念日は予定を複数登録していても、一番上に表示している予定の残り時間しかスマホのホーム画面に表示できないので、各工程が終わり次第一番上に表示する予定を切り替える必要性があり、そこが懸念点ではありますが……

PCのExcelで管理しようとしていた時よりも、進捗管理にかかるアクセスの工程数は削減できますし、工程ごとの猶予が一目でわかるため、圧倒的にスケジュール管理のやりやすさは上がったのではないかと思います!

現在上記のスケジュール管理方法を運用して数日経過したところですので、使いやすさ等は今後レビューして改善します。

3.同人誌制作の流れ


原稿を作るだけでは同人誌は作れません。
以下はほぼ備忘録となっています。

~全体的な流れ~

①印刷会社を決める
⬇️
②同人誌のサイズを決める
⬇️
③原稿を作る
⬇️
④原稿のミスチェック
⬇️
⑤印刷所にデータを渡す
⬇️
⑥同人誌完成!
⬇️
⑦イベントで頒布

最初に印刷所を決めた方が良い理由は3つ。

①原稿のテンプレを用意している印刷所が多いので、それを利用して作るのが便利だから

②印刷所ごとにフルカラー印刷をする場合(表紙とか)、RGB形式で入稿を推奨するところと、CYMK形式で入稿を推奨しているところがあるから

③イベントによっては直接搬入の対応をしていない印刷所があり、宅配搬入や手持ちで運ぶ場合、〆切が直接搬入より早くなるからバタバタしないためにも先に決めた方が良い

私は修羅場原稿すぎて、当初依頼する予定だった印刷所Aから通常〆切の遅い印刷所Bへ変更したのですが……

印刷所AではフルカラーデータはRGB形式推奨とのことでしたので、私は表紙をRGB形式で作っていました。
しかし、印刷所BではフルカラーデータはCYMK形式推奨だったため、印刷した時の色味が想定していたより暗くなってしまいました。(夜の絵だったため、そこまで違和感はなかった)

それと、当たり前なんですが印刷所によって選べる特殊紙や割引キャンペーン、入稿〆切も変わってきますので、最初に印刷所を選んだら、もうそこから変えないようにするのが望ましいです……!!!

紙によって元々少し黄色っぽい、ラメが入っているので反射すると結構派手なイメージになる等、実際に紙を見ないと本の完成イメージが湧きにくいので、印刷所を決めるときには紙のサンプルを取り寄せると良いと思います。

同人誌のサイズは原稿を描く前に決める

漫画であればB5、A5が主流ですが、後から変えようにも画質の劣化やそもそもの大きさの規格が合わない問題が発生するので、最初にどちらにするか決めて、後から変えないようにしましょう。

私の場合ページ数もこの時点で決めていました。
プロットを細かく詰めて、この描写は5~6Pに配置しよう等と考えながらネームを描いたことで、見せ場のページ構成がかなり楽になったのでおすすめです。

私は描きたい描写に合わせてページを決めると、描きながら思いついたアイデアをどんどん付け足して、終わらなくなってしまうので……
同じタイプの人はページ数を先に決めましょう。

原稿作りの注意点

これに関しては時間配分、とにかく終わらせること!!!で終わらせたくなりますが、結構注意点があります。
※CLIP STUDIO EX前提

~原稿の注意点【初期設定】~
①サイズは想定している大きさになっているか(A5、B5等)
②印刷所によって裁ち落とし幅が異なるので、
「印刷を依頼したい印刷所 原稿の作り方」
をちゃんと調べる
③本文がモノクロ、フルカラーによって解像度が異なるので確認する
④ノンブルを見せたくないなら隠しノンブルにチェックを付ける


~原稿の注意点【基本】~
①ノドにセリフや見せたい絵を描かない
②塗足しを考慮して描く
③ネームは描き込みすぎると勿体なさで構図微妙でもペン入れしちゃうから結構雑でいい(頭身を合わせないと絵の収まりが変わるので、アタリの等身だけちゃんとした方がいい)
④読み物なので、セリフの見やすさ優先で描く。下書き時にセリフ➡️吹き出し➡️絵の順で描くとせりふが見やすい
⑤絵で伝わる情報はわざわざセリフにしない
⑥イマジナリーラインに注意する


~原稿の注意点【モアレ】~
①トーンにアンチエイリアスをかけない
②グレースケールの上にトーンを重ねない
③アミ点になっているトーンの透明度を下げない
④アミ点トーンを拡大・縮小、回転させない

上記のことしか分かっていないのですが、とにかくトーンとグレースケールを重ね合わせなければ大丈夫なんじゃないかな……

印刷する前に部数アンケ―トをしよう

私は時間が無かったので部数アンケートができなかったのですが、会場で買いたい!という人と、通販で買いたい!という人がいらっしゃるので、

事前にアンケートをすれば、会場優先で余ったら通販に回すくらいの部数はこのくらいかな……?という見通しを立てることができたり、
最初から通販で委託してみよう!等と計画を立てたり……

もちろん自分の予算と相談にはなりますが、部数の指標としてアンケートは有用そうだな、と!また同人誌を作る予定ですので、次回はアンケートをしてみようと思います。

印刷所に入稿データを渡すときの注意点

印刷されるデータに不備がないよう確認しましょう……!

~入稿時の注意点【入稿データ】~
①必ず入稿予定日の数日前に原稿を終わらせ、ミスが無いか確認する
②PSD形式の場合、書き出し時に「背景として出力する」にチェックを付けて書き出す
③成人向け作品の場合、表紙に成人向けである記載(R-18等)をする
④本文データは裁ち切りまでの大きさ(トンボの裁ち落としまで)で書き出す
⑤本文データの他に印刷した時の見え方として、出力見本を提出する必要があるので、出力見本は本文までの大きさ(トンボの内側まで)で書き出す

イベントで頒布する時の注意

最低限、サークルチケットと頒布物があれば大丈夫です!
でも、もう少し凝りたい場合は以下を参考にしていただけると嬉しいです。

~設営用品~
①敷き布
②本を立てる用のスタンド
③値札用のスタンド
④卓上スタンド(スペース番号を記載した印刷物を掲示しないと、買う人が場所を見つけにくいのであった方が良い)
⑤敷き布と会場の机を固定するためのテープ等
⑥油性の黒マーカー
⑦養生テープ(応急処置用)
⑧マスキングテープ(装飾とか、設営時の仮止め用)
⑨厚紙とか画用紙
⑩コイントレー
⑪お釣り(持っていきすぎるとイベント後小銭が大変なことになるので、量が難しい)
⑫お釣り隠す用の箱(コインケースむき出しだと美しくないので、気にする人は用意した方が良いかもしれない)

上記は本のみの頒布を想定した一例ですが、調べると色んな頒布物の見せ方があって面白いです。

お釣り……どのくらい持っていけばいいんですかね……?
私は100円と500円を5枚ずつ仕切るタイプのコインケースにぎっしり小銭を詰めていたので、頒布中は小銭が溢れてプチパニックになりまして……

でもお釣りが足りなくなる恐怖に比べたら、余るくらい持って行った方が精神的に楽になるので、そっちの方が良い……!!!

4.終わりに


ここまで色々書きましたが、
本当に二度と限界同人誌制作をしたくない!!!!

という強い思いを忘れず、また同人誌を作りたいと思います。

また、本記事は個人の意見ですので、必ずこうした方がいい!という内容ではございません。こういう考えもあるよね、程度に留めていただけますと幸いです。

最後に、ここまでご覧いただきありがとうございました。

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