ママの偉大さ。脱帽

前もお話ししたように

私のママは偉大である。

ただ、広辞苑で偉大という意味を調べると

[形動][文][ナリ]すぐれて大きいさま。りっぱであるさま。「偉大な業績」「偉大な人物」


すぐれて大きくはない。立派であるけど、全く大きくない。

ただ乳はでかい。だから偉大なのかもしれない。



愛媛の片田舎から19で飛び出し

20で出産、22で離婚を経験したママ。

正直言って第三者からみると大バカ者。


生活に困りよちよち歩くレベルの私をおぶって

お水の面接に行き、飲んだ事ない酒を浴びるほどのんで

気がついたらトイレで寝てたなんてまだ序の口だ。


印象深かったのは私が5才の頃。

忘れもしない冬の話だ。


仕事を終え、夜間の託児所から迎えに来た時ママはとても陽気だった。

子供ながらに陽気な母をみるとこっちまで元気になり、

深夜にもかかわらず二人で踊るぽんぽこりんを歌いながら

帰っていた。

駐車場に着いてもなお

我々の陽気度は変わらない。むしろテンションは天井に近い。

コーポの二階。それが我々のオアシスだ。

母におぶられながら母は歌う。私は階段の段数を数えながら

上がっていく。

中段ぐらいでママの足が止まり私をおぶり直す。

「ママ楽しいね!」

というと



母のテンションは急に覚醒した。

走り上がり始めやがった。


益々私もテンションが上がる。


とんでもない声量で踊るぽんぽこりんを歌うママ

とんでもない声量で階段の段数を数える私。


残す段数は2段だったと思う。





ふとお空が見える。


あれ??なんでだろう??



そうおもった瞬間






がしゃがしゃがしゃああああああああああ!!!!!




我々は階段から転げ落ちた。

どういうわけか目をあけるとママが横で寝そべっていた。

ママも目を開け

目が合う。


お互い何が起こったのか全くわかっていない。


「「落ちたん?」」


と同じタイミングで言うと

二人で笑い合った。


二階に住むおばさんが慌てて飛び出してきた。

おばさんもびっくりした顔をしてた。

そらそうだ。


ママは言う




大丈夫です!!!!!



え?ほんまに?みたいな顔をしているおばさん。


ママはおもむろに立ち上がりジャンプして見せた。

ほんとに無傷だった。


ほならええけど

という顔をしておばさんが立ち去った。


何故かわからないが

ママは


セーフ!!!


と言った。


いやなにが?なんのセーフ?アウトの場合の内容が全くわからへんねんけど。




まぁええか。おもろいし。明日保育園でちーちゃんに話しよ



そんな5歳の冬。


あれから22年たったが、いまだにその時の話をママとする。


我々の鉄板ネタと言っても過言ではない。


ただ、大人になって思うことがある。




お酒はまじでおっかない。


あれ、ママが偉大な話どこいってもた。









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